JARECOニュースまとめ(2017/07/10)
市場ならびに市場関連数値
〇6月の市場が活発だった都市 (2017/06/29 realtor.com報道) NARの5月既存住宅市場データによると、売り出し物件数が24か月連続減少というかつてない物件不足市場となっていて、各地で住宅価格の高騰が生じている。こうした中、売り出し物件の消費者による検索数と、成約までの販売日数の短さから判断して、取引が最も活発だった市場をrealtor.comが選び出している。圧倒的に多いのはカリフォルニア州で、1位がVallejo、2位がSan Francisco、4位がSacramento等ランキングされている。
詳しいランキングはこちら: http://www.realtor.com/news/trends/americas-20-hottest-real-estate-markets-june-2017/
〇購買能力が下落しているカウンティ―が87% (2017/06/27 RealtyTrac記事) 不動産データ処理を行うATTOM Data Solutions社調査によると、第2四半期の全米の主要カウンティ―464カウンティ―のうち87%において、週給上昇率を住宅価格上昇率が上回った。また、45%のカウンティ―では、住宅購買能力が歴史上一番低い状態となっている。あるいは、464カウンティ―のうち144のカウンティ―では、中位価格の住宅を購入するのに所得の43%以上を必要とするような状態にもなっている。
詳しくはこちら: http://realtormag.realtor.org/daily-news/2017/06/30/report-87-counties-face-affordability-dip?tp=i-H43-Bb-J0-8XFY-1p-9gmu-1c-8hQY-sWtjw&om_rid=2034440 &Om_ntype=RMOdaily&om_mid=1178
〇住宅市場が危機的水準にある都市 (2017/06/21 CNBC報道) NARチーフエコノミストのローレンス・ユン氏によると、住宅市場が危機的状況になっている都市が出てきている。5月の既存住宅流通の売り出し在庫について対前年同月と比べると、高額価格帯の住宅割合が増え、低価格帯住宅は減っている。内訳として。$100,000以下は7%減、$100,000から$250,000は2%減、$500,000から$1,000,000は20%増、$1,000,000以上は30%増である。低額住宅を求める層には非常に厳しい状況でありつつ、高額住宅を保有する層にとってはますます資産価値が増えていく状況である。
詳しくはこちら: http://www.cnbc.com/2017/06/21/divide-widens-between-housing-haves-and-have-nots.html
金融
〇貸出基準緩める金融機関多し (2017/06/26 ファニーメイ発表) ファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)が発表した今年度第2四半期のローン貸出機関の動向調査によると、前四半期に比して貸出基準を緩めているとしている機関が増えている。ファニーメイの別途調査によれば、ここ3連続四半期、利益額を減らす金融機関が増えており、ローン貸出の競合がより激しくなっていることが背景にある。また、政府系貸出機関の買取保証基準が少し緩んでいることも背景のひとつとしている。
詳しくはこちら: http://www.fanniemae.com/portal/media/corporate-news/2017/mortgage-lender-sentiment-survey-q2-2017-6575.html
建築とリフォーム
〇リフォームが盛んな州 (2017/06/19 Hearth.com調査) リフォーム資金の金融情報を提供するHearth.comが行った調査によると、リフォームを考慮する世帯割合が全米で一番高いのはハワイ州で33%、2位がカンサス州で32%、3位がモンタナ州で29%となっている。また、ここ5年間にリフォームを行った世帯割合は11%、来年行おうと考えている割合が16%、いずれ行うために資金を貯蓄しているのが17%という結果となっている。
詳しくはこちら: https://www.gethearth.com/blog/2017-hearth-home-renovation-survey/
テクノロジー
〇塗料がエネルギー源になるやも (2017/06/14 Science Daily報道) メルボルンのRMIT大学での研究で、壁の塗料がエネルギー源となる日が近いとのこと。この塗料は同大学が開発した太陽光を吸収する塗料で、ソーラーエネルギーと湿った空気により水素燃料を発生させる素材である。同大学リサーチグループのダエネケ(Daeneke)氏によると、「塗料を塗る場所が必ずしも川とか海のように湿気が多い場所である必要はない。空気中の湿気と太陽光でもって十分機能する」としている。ここ数年で技術は完成するとのこと。
詳しくはこちら: https://www.sciencedaily.com/releases/2017/06/170614091833.htm
〇カリフォルニア州のMLSがソーラーデータを項目に追加 (2017/06/09米国エネルギー省報道) カリフォルニア大学のローレンス・ベーカリー研究所が開発したデータ基準に基づき、国内最大のMLSであるカリフォルニア地域MLSが、物件の詳細打ち込み項目にソーラーエネルギー関連の5項目を試験的に追加して運営を開始した。5項目は、サイズ、稼働年数、所有者、生産量、データ算出元の5つである。カリフォルニア州は、地域によっては住宅の20%にソーラーエネルギーが取り入れられている州ではあるが、コネチカット、ヴァーモント、ニューハンプシャー州のMLSも、この試験を注視しつつ導入を検討している。
詳しくはこちら: https://energy.gov/eere/success-stories/articles/eere-success-story-real-estate-professionals-embrace-solar-power
〇youtubeで3D画像 (2017/06/27 NARニュース) YouTubeは、3D画像的な画面を提供できるVR180と名付けた新ビデオフォーマットを発表した。360度のヴァーチャルリアリティーとは違うが、画面の深さや高さについてかなり立体的に表示ができると言う。これに対応した撮影カメラはLG、Lenovo等から今冬には売り出される予定とのこと。こうした技術は、不動産物件の動画提供にも大いに活躍すると予測される。
詳しくはこちら: http://realtormag.realtor.org/daily-news/2017/06/27/listings-are-3d-in-youtube-virtual-reality?tp=i-H43-Bb-Hs-6Iac-1p-9gmu-1c-6UT3-1sU2rq&om_rid=1501430 &Om_ntype=RMOdaily&om_mid=1108
業界動向
〇業者・エージェントの収入源 ((2017/06/26 NARニュース) 2016年度のNAR会員調査結果によると、会員の中位所得額は$42,500(約460万円)となっている。ただ、経験2年以内の中位所得は$8,930(約100万円)、16年以上は$78,850(約880万円)と、経験によって増えていく。収入のきっかけだが、16年以上の経験者の場合、紹介が25%、36%が既存客やリピート客となって非常に割合が高いのに対し、中位的なエージェントの場合は18%が紹介、13%が既存客やリピート客である。
詳しくはこちら: http://realtormag.realtor.org/daily-news/2017/06/26/biggest-sources-income-for-real-estate-pros?tp=i-H43-Bb-HM-60pJ-1p-9gmu-1c-6Chf-2CvT17&om_rid=1433149 &Om_ntype=RMOdaily&om_mid=1076
全体経済その他
〇新聞への信頼度が回復中 (2017/06/28 ギャロップ調査報道) ギャロップが行った新聞への信頼度調査にて、新聞が「非常に信頼おける」と回答したアメリカ人の割合は、昨年の20%から7%上昇して27%となった。ところがこれを政党支持者毎に見ると、民主党は2016年が28%が46%へ急上昇したのに対し、共和党支持者の場合は2016年の16%が13%へと3%下落している。これについてギャロップは、「新聞は人民の敵」と標榜するトランプ大統領への反撃意識によるのではとしている。
詳しくはこちら: http://www.gallup.com/poll/212852/confidence-newspapers-low-rising.aspx?g_source=Social+Issues&g_medium=newsfeed&g_campaign=tiles