JARECOニュースまとめ(2017/09/10)
市場ならびに市場関連数値
〇新築販売減少の要因は価格高騰? (2017/08/23 CNBC報道) 商務省発表の7月新築住宅販売戸数は571,000戸で、対前月比9.4%と2桁近く減少し、2016年12月以来の最低数値となっている。また販売中位価格は$313,700(約3,450万円)で、対前年同月比で6%高くなっている。因みに既存住宅の成約中位価格は$258,300(約2,830万円)で、新築と既存の価格差幅は2011年以来の開きとなっている。$300,000を下回る新築の数が増えれば、もっと成約数は増えると記事は指摘している。
詳しくはこちら: https://www.cnbc.com/2017/08/23/heres-why-new-home-sales-tanked.html
〇室外アメニティが人気を増している (2017/08/22 ワシントンポスト報道) 高級住宅物件で、室外アメニティの充実が人気を博している。プール脇に設営された冷蔵庫やシンクを備えたキッチン、バックヤードの静けさを強調するようなプールを見下ろすラウンジ、プール内に設営されたスパ、居間とプールの間の境目に設置されて一体感を演出する全面ガラスドア、室外の暖炉の設営等のアメニティである。
詳しくはこちら: https://www.washingtonpost.com/news/where-we-live/wp/2017/08/22/desire-for-outdoor-amenities-grows-among-homeowners/?utm_term=.90b8f6a367c2
金融
〇金利は今年最低水準に (2017/08/24 RisMedia報道) フレディマック発表の30年固定金利住宅ローンの金利は3.86%となり、昨年11月以来最低水準となった。因みに1年前の8月時点は3.43%であった。ただし、金利が低いのにローン申請数は増えておらず、売り物件不足が多くの買主の足を引っ張っている可能性がある。
詳しくはこちら: http://rismedia.com/2017/08/24/30-year-mortgage-rate-hits-2017-low/?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter
〇住宅担保貸付が増えている (2017/08/29 NARニュース) ニューヨークタイムズ報道によると、第2四半期のホーム・エクイティ・ローン(住宅担保ローン額)は460億ドル(約5兆円)に達し、2008年以降最高額となっている。キャッシュアウトの借り換え額は150億ドル(約1.6兆円)で昨年同期比6%増加している。中位住宅価格はこの間急激に上昇、2014年の$187,900から、今年6月の$263,800へ40%上昇し、それを背景としていることは間違いないとみられる
詳しくはこちら: http://realtormag.realtor.org/daily-news/2017/08/29/more-owners-are-using-their-equity-again?tp=i-H43-Bb-Y7-XWnD-1p-9gmu-1c-Xh0D-CZEEK&om_rid=7990883 &Om_ntype=RMOdaily&om_mid=2115
建築とリフォーム
〇リフォームにかけるお金が増えている (2017/08/28 realtor.com報道) ネット上でリフォーム業者、リフォーム商品等についてサービスを提供するHomeAdvisor.comが、昨年受け付けた1,400万件の問い合わせを分析してリポートを出している。それによると、今年2月までの1年間の平均リフォーム代金は、前年の$3,288から60%増加して$5,157となった。世代毎に見ると、一番お金をかけているのがベビーブーマー、次がミレニアル世代、一番少ないのがジェネレーションX世代となっている。ベビーブーマーは蓄えた資産を使ってのリフォーム、ミレニアル世代は住宅を取得してその資産価値を拡げようとする思いからのリフォームを積極的に行っているが、X世代は経済危機での住宅価値損失を真っ向からかぶった世代にて、リフォームに回すお金が他世代に比して少ない状態。
レポートはこちらからダウンロードできる: http://www.realtor.com/news/trends/home-improvements/
〇リビングを2階へもっていく傾向あり (2017/08/24 NARニュース) 大型住宅の2階において、ベッドルームの横で家族全員が気軽に使える部屋、「パジャマ部屋」などとも呼ばれるが、居間的な空間を作ることが人気になっている。1階の居間に比べれば狭いが、小型キッチン、ソファー、テレビ、机的なものを置けるような部屋である。朝起きて1階へ行かずとも、そうした部屋でおはようと言い合えるような感覚の部屋である。だだっ広い廊下を減らしてそうした部屋を作る傾向となっている。
詳しくはこちら: http://realtormag.realtor.org/daily-news/2017/08/24/living-rooms-are-heading-upstairs?tp=i-H43-Bb-Wp-WOxp-1p-9gmu-1c-WasC-969lE&om_rid=7722461 &Om_ntype=RMOdaily&om_mid=2035
〇売り出し前に行う修繕3つ (2017/08/29 NARニュース) タイルを販売するNemo Tile+Stone社によれば、住宅を売り出す前に、キッチンやお風呂にちょっとした修繕を施すだけで、買主への印象が相当変わるとしている。色については白や中立色が無難。床や壁は磁器タイルにしてみる。使用するタイルは1枚がサイズが大きいものがお薦め。大きいタイルを使うと、スペースそのものが大きく見えるため。
詳しくはこちら: http://realtormag.realtor.org/daily-news/2017/08/29/simple-home-fixes-attract-buyers?tp=i-H43-Bb-Y7-XWnD-1p-9gmu-1c-Xh0D-CZEEK&om_rid=7990883 &Om_ntype=RMOdaily&om_mid=2115
業界動向
〇仲介業者が直面する課題 (2017/08/21 NAR発表レポート) 毎年NARが発表する「不動産業者プロフィールレポート」が発表された。今年度の売上業況予測については、90%のリアルターが「増加、ないし横ばいとしている。しかし、売り出し物件不足と価格高騰が2年連続している中、取扱高は減る可能性が取りざたされてもいる。業者間競合については、伝統的な仲介業者以外の業者、特にヴァーチャル業者からの脅威を、前年度より7%高い50%が指摘している。なお昨年度の仲介取扱高平均額は、居住用が620万ドル(約6億8000万円)、事業用が450万ドル(約5億円)であった。
レポートはこちらからダウンロードできる。 https://www.nar.realtor/reports/profile-of-real-estate-firms
〇価格帯範囲提示法は一般化するか (2017/08/22 realtor.com報道) 不動産売却において、販売価格を固定数値ではなく価格範囲で提示することが好まれる場合が増えている。例えば、「50万ドルから53万ドル」といった表示をする。売主にとってのメリットは、固定表示に比べてより多い見込買主からの問い合わせを受けつけられること。買主にとってのメリットは、より多い物件に問い合わせを行えること。ディメリットは、特に買主にとってであるが、問い合わせ数が多いことにより、結局売主側との交渉において範囲内の最高数値へ価格が落ち着いていきやすいことである。
詳しくはこちら: http://www.realtor.com/advice/sell/what-is-value-range-pricing-real-estate/?iid=rdc_news_hp_carousel_theLatest
全体経済その他
〇ハリケーン・ハービーによる被害 (2017/08/28 リアルターマガジン誌) NAR調査によると、テキサス州を襲った大型ハリケーン・ハービーにより家屋のほとんどが浸水したヒューストンのハリス郡の住宅では、全体の15%しか洪水保険に加入していない。標準的な住宅損害保険はハリケーンの強風による損害は補償するが、それが引き起こした洪水による被害は補償しない。今回の洪水による住宅への被害は史上最大額となる可能性が高い。フレディマック(連邦住宅抵当金融公庫)は、自己が保証する家屋数で洪水の影響を受けるであろう数を36,500戸と発表し、これらのローン支払いに一定の猶予策を設けて被災者を支援することを既に発表した。
詳しくはこちら: http://realtormag.realtor.org/daily-news/2017/08/28/harvey-sparks-flood-insurance-disaster?tp=i-H43-Bb-Xj-X9LW-1p-9gmu-1c-XLG3-1dIquw&om_rid=7900754 &Om_ntype=RMOdaily&om_mid=2091