JARECOニュースまとめ(2018/12/10)
市場ならびに市場関連数値
〇1年間の引っ越し率は10.1% (2018/11/27 国勢調査局データ) 2017年3月から今年3月の1年間に住宅を変えた人の割合は全体の10.1%であった。歴史を辿ると、1960年から61年の1年間は20.6%だったが、この半分に減っている。落ち込みの割合が激しいのは若者世代で、ここ1年の移動率を2000年当時(カッコ内)と比べてみても以下のようにぐっと減っているのがわかる。20歳から24歳が20.3%(32.7%)、25歳から29歳が20.2%(29.5%)、30歳から34歳が14.4%(20.6%)
詳しいデータは以下のページから: https://www.census.gov/data/tables/time-series/demo/geographic-mobility/historic.html
〇若者は結婚より持ち家を優先している (2018/11/26 バンクオブアメリカレポート) ミレニアル世代へ「人生で何を優先順位とみなすか?」(複数回答可)という問いに対して、80%がリタイアメント、72%が住宅保有、61%が世界周遊、50%が結婚、44%が子供を持つことと回答している。割合的には結婚や子供を持つことよりも住宅所有に優先順位をつける人が多い。住宅保有がなぜ優先かという問いに対しては、独立した気分になれるが36%、権威付くが34%、力が付いた気がするが24%となっている。
レポートはこちらでダウンロードできる: https://info.bankofamerica.com/assets/pdfs/BofA_2018_HBIR.pdf
〇ミレニアル世代の来年の主要な動き (2018/11/29 NARニュース) ミレニアル世代の仲介を主に行う女性エージェントが、この世代の来年の動きについてまとめている。ひとつは金利が上昇しているので早めに買ってしまいたいということで来年は活発に購入活動を行うであろうこと、ふたつめには購買能力が高まっているので$300,000以上の住宅物件を購入する層としてベビーブーマー世代と購入競争になるということ、みっつめは、中古を購入してリフォームをする動きをこの世代もさらに強めること、よっつめはますます彼らはテクノロジーを駆使するため、エージェント側がそれに対応できないとお世話できないということ。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2018/11/29/5-millennial-real-estate-trends-in-2019?tp=i-H43-Bb-3Eo-68KOB-1p-9gmu-1c-68UoD-rFzco&om_rid=90643019&Om_ntype=RMOdaily&om_mid=12450
〇近隣の美術館による不動産価値の上昇 (2018/11/30 NARニュース) マサチューセッツ州ウィリアムズカレッジのシェパード教授研究によると、美術館近くに位置する不動産の価値は、5年間の間で20%から50%上昇としている。同教授はこの現象を、スペインのビルバオに1997年に開館したグッゲンハイム美術館にちなんで「ビルバオ効果」と名付けている。ウォールストリートが報じるところでは、アーカンソー州のBentonville、マサチューセッツ州の North Adams、テネシー州のChattanoogaといった都市は、それぞれの都市に開設された美術館から徒歩15分以内の不動産について全てこの効果が当てはまっているとのこと。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2018/11/30/study-museums-boost-residential-commercial-values?tp=i-H43-Bb-3FH-68lUv-1p-9gmu-1c-68xcW-1vHhj9&om_rid=90747225&Om_ntype=RMOdaily&om_mid=12479
〇平均所得が高いカウンティ―のランキング (2018/10/19 SmartAsset社発表) 個人の金融資産管理ソフトを提供するSmartAsset社が、全米で最も平均所得が高いカウンティ―のランキングを発表した。1位は意外な場所で、ワイオミング州のTetonカウンティ―で、在住者の平均所得は$214,890(約2,400万円)。ここは国立公園に近く、在住者による不動産投資の利益が平均所得を押し上げているためである。2位はニューヨークで$196,800、3位がカリフォルニア州のMarinで$169,528となっている。
詳しいランキングはこちら: https://smartasset.com/financial-advisor/richest-counties-in-america
金融
〇貸出限度額の引き上げ (2018/11/22 HousingWire誌記事) 政府系金融機関のファニーメイやフレディマックを管轄する連邦住宅金融庁は、来年度保証するローン貸出限度額上限を今年度の$453,100(約5,100万円)から6.9%上げて$484,350(約5,400万円)にすると発表した。また、カリフォルニア等住宅価格高騰が激しかった地域については$726,525(約8,100万円)まで限度額を引き上げるとしている。この金額変更は来年1月1日から実施となる。
詳しくはこちら: https://www.housingwire.com/articles/47489-fannie-freddie-conforming-loan-limits-increase-in-nearly-every-part-of-the-us
〇自動鑑定の問題点 (2018/11/21 realtor.com記事) 連邦預金保険公社、連邦準備制度理事会、財務省通貨監督庁といった機関が、ローン借り換え時の鑑定作業を自動化することを計画している。これまで$250,000以下の借り入れについては自動鑑定で構わないとしていたものを、審査作業のスピードアップ化のため$400,000以下のものを自動鑑定でOKにするとしている。ただ、連邦政府金融機関が保証するローンの新規貸し出しには適用されない予定。これに対し、鑑定士の側では、自動鑑定は正確性についてかなりの問題をはらむとしている。
詳しくはこちら: https://www.realtor.com/news/trends/fewer-human-appraisals-could-become-reality/
建築とリフォーム
〇新築販売数がここ2年半で最低数値 (2018/11/29 ロイター報道) 10月の新築販売数(年率換算値)は、全米4つの主要地区全てで減少して544,000戸となり、ここ2年半で最低数値を記録した。全米ビルダー協会のノエル会長は、「住宅価格上昇とローン金利上昇のダブル要素で、消費者側の息切れがある」としている。一方で、新築が売れにくいことにより、売り出し在庫は336,000戸に増え、売り出し中位価格も$309,700(約3,400万円)と対前月比3.6%下がっており、買主側には優位な状況を生みだしつつある。
詳しくはこちら: https://www.reuters.com/article/us-usa-economy-housing/us-new-home-sales-drop-to-more-than-2-1-2-year-low-idUSKCN1NX1WU
業界動向
〇AirB&Bが住宅開発を検討 (2018/11/29 FastCompany記事) デザイン関連専門誌FastCompanyによると、AirB&Bの共同創設者のジョー・ゲビアは、「Air B&BがBackyardという新しい住宅設計コンセプトで住宅開発を行う検討をしている」と語っている。プレハブでグリーン住宅としての条件を備えた住宅デザインで、工業デザイナー、建築士、ロボット工学・機械工学・金属工学のエンジニア等のチームを既に組んで研究を行っているとのこと。詳細なデザインが既に発表されたわけではないが、当然のことながら具体的な設計は、住宅を「シェア」できる設計となっていくと言われる。
詳しくはこちら: https://www.fastcompany.com/90271599/exclusive-airbnb-will-start-designing-houses-in-2019
〇オファーを売主に提示したかを書面化する必要 (2018/11/29 NARニュース) 現在のNAR倫理綱領規定内において、買主側がオファーを売主側へ提出した際、これを売主側業者は買主側業者に対して、「売主へ提示をしました」ないし「売主がオファーを見ること自体を拒否しました」という回答を行わなければならないとなっている。これを買主側業者が書面での提示を求める場合も、売主側業者はそれを作成して書面回答することも義務付けられている。これを怠った場合に売主側業者は懲戒の対象となることが、今年のNAR総会では新たに決議されている。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2018/11/29/did-you-present-my-client-s-offer-don-t-ignore-the-question?tp=i-H43-Bb-3Eo-68KOB-1p-9gmu-1c-68UoD-rFzco&om_rid=90643019&Om_ntype=RMOdaily&om_mid=12450