JARECO-Eyecommunication

JARECOニュースまとめ(2019/03/30)

市場ならびに市場関連数値

〇2月の既存住宅流通戸数は2桁台の伸び (2019/03/22 NAR発表) 2月既存住宅流通戸数は、対前月比11.8%の大幅な増加で551万戸(季節調整済値)となった。北東部を除き全ての地域で増加している。NARチーフエコノミストのローレンス・ユン氏は、「低金利、販売在庫数増加、所得増加、消費者の景況感改善」の複合によりこの増加が生じたとしている。中位成約価格は$249,500(約2740万円)で、対前年同月比3.6%の上昇だった。売出在庫数は159万戸で対前年同月比3.2%増加、販売成約日数は44日で、1月の49日より短くなっている。
詳しくはこちら: https://www.nar.realtor/newsroom/existing-home-sales-surge-11-8-percent-in-february

〇持ち家は依然としてアメリカ人の夢の上位を占める (2019/02/28 Bankrate.com調査) オンラインで住宅ローン情報を提供するBankRate.com調査によると、回答者の79%は住宅所有がアメリカンドリームの実現に主要な役割を担うと回答している。これは仕事の成功成就の63%や自動車保有の58%を上回る数値。一方で、回答者の半数は持ち家が実現できておらず、その理由は所得の不足、頭金不足が挙げられ、その他3分の1は、価格が余りに高すぎるからと回答している。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2019/03/06/survey-homeownership-still-hallmark-of-american-dream

〇空室率の高い都市 (2019/03/07 LendingTree発表データ) オンラインで住宅ローン情報提供を行うLendingTree社が全米各都市の空室率を調査した。一番低いのがカリフォルニア州のサンノゼで4.26%、2位ミネアポリスで4.9%、3位デンバー5.35%だった。逆に高い方ではマイアミが17.09%、オーランドが15.93%、タンパが15.25%だった。因みに全米の空室率は9.44%。
詳しくはこちら: https://www.lendingtree.com/home/mortgage/highest-vacancy-rates/

投資

〇ビザプログラムにてアメリカ入国するベトナム人多し (2019/03/06 NARニュース) アメリカが指定する地域での開発行為に投資して雇用創出に貢献するとグリーンカードを与えるというEB5というビザプログラムがあるが、ウォールストリートジャーナル報道によると、これまでこの投資資金を投じるのは中国人が多かったが、最近ではベトナム人が増えている。ベトナム人へのEB5ビザ発給率は対前年比で693%(約7倍)にも伸びている。数年前はEB5発給全体のおよそ1%しか占めなかったものが20%を占めるようになった。因みに中国人が30%、インド人が25%を占める。ただこのビザへの申請数が急激に増加して発給までの時間が数年かかるようになり、全体としては人気の衰えも見える。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2019/03/06/visa-program-is-bringing-more-vietnamese-investors-to-us

建築とリフォーム

〇老齢化する住宅ストックのリフォームが課題 (2019/03/12 ハーバード大学住宅調査共同センター研究報告書) 居住用物件の2017年度リフォーム金額は、持家と借家を合わせて4,250億ドル(約46兆円)に達している。この金額はアメリカ経済総生産額の2.2%に相当する。全住宅ストック1億2700万戸の80%は築20年以上で、築50年以上は40%を占める。ここ数年新築供給戸数が停滞し、リフォームに投じられる金額が増えている。リフォームで$50,000(約550万円)以上の工事のうち、約半数は現金払いとなっている。
詳しくはこちら: https://www.jchs.harvard.edu/research-areas/reports/improving-americas-housing-2019

政策

〇自営業者の住宅ローン取得が容易に (2019/03/12 ワシントンポスト報道) 自営業者の住宅ローン取得申請は、これまで非常に長い時間がかかっていた。確定申告書類を何年分も提出した上で審査が行われ、しかも書類中の各種収入項目が所得として見なされるかどうか、判定にいろいろなケースがあって手続きが煩雑となるのが大きな理由だった。こうした中、これら書類審査について、ローン保証を行う政府系金融機関のフレディマック(連邦住宅金融抵当金庫)とファニイメイ(連邦住宅抵当公庫)が、これまで数日かかっていた書類審査を数分で済ませることができる光学読み取り技術を導入すると発表し、自営業者でローン取得したい者にとってはかなりの追い風となると歓迎されている。因みにアメリカの自営業者は1,500万人で、労働人口の10分の1を占める。
詳しくはこちら: https://www.washingtonpost.com/realestate/if-youre-self-employed-or-a-gig-worker-getting-a-mortgage-just-got-easier/2019/03/12/319d8b62-4428-11e9-aaf8-4512a6fe3439_story.html?noredirect=on&utm_term=.594f67c20dc5

テクノロジー

〇AIを恐れる必要はないという研究結果 (2019/02/26 Cleverリサーチ調査) AI技術が発達する中、売主の半分はAI技術を使って見込み買主を探し当てるサービス使用を検討している。そういう意味でエージェントは、こうした技術をどのように見込み買主に提供していくかを吟味していく必要がある。一方で63%の売主は、従来の不動産エージェントのサービスより優良なサービスをAI技術が達成できるとは考えていない。
詳しい調査結果はこちら: https://listwithclever.com/real-estate-blog/the-role-of-the-real-estate-agent/

〇facebooが住宅関連のターゲティング広告を取り下げ (2019/03/20 ニューヨークタイムズ報道) 米国住宅都市開発省は昨年8月Facebookに対し、住宅、就職、クレジット関連のターゲティング広告において、人種、性別、年齢別の差別があるとして警告を行っていたが、これをfacebookは受け入れ、3月20日にこれらターゲティング広告を今後行わないと発表した。同時に、「家事を主とする母」、「働く母」といったような「興味関心グループ」向けのターゲティング広告も今後行わないとしている。Facebookは市民自由ユニオン、公正住宅同盟、アメリカ通信業連盟といった組織からこうしたターゲティング広告を行っていることについて訴えられていたが、500万ドル(約5億円)を支払ってこれら訴訟が中止されることとなった。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2019/03/20/facebook-disables-targeting-options-for-housing-ads

業界動向

〇気候変動の不動産業への影響 (2019/03月号 リアルターマガジン記事) 土砂崩れ、洪水、山火事等、気候変動による自然災害が後を絶たない。2100年にはアメリカの海面レベルは現在より6インチ(約15cm)上昇し、1,310万人が住居を移動しなければならないとの調査がある。また、海岸に近い住宅の売買価格を調査したコロラド大学ボルダー校の調査では、内陸の類似住宅の売買価格と比較して、これら海岸べりの住宅は価格が6.6%低いとの結果が出ている。さらには、保険会社が住宅保険を拒否する例がさらに増えていく恐れも高い。リアルターはこうした情勢を的確に把握して、顧客へ情報提供していく義務がある。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/news-and-commentary/commentary/article/2019/02/climate-change-we-don-t-have-50-years-to-wait

全体経済その他

〇アメリカ人は何歳で運転を止めるか (2019/02月 AARPリサーチ結果) NPOのAARP(以前の全米退職者協会)調査によると、アメリカ人の大多数は死ぬまで運転を続ける考えのようである。「あなたは何歳で車の運転を止めますか?」という問いに対する各年齢層事の回答は以下の通りとなっている。60歳から75歳で止めるが12%、76歳以上でが24%、いくつになろうが運転を止めないが62%、回答拒否が2%である。ある年齢で止めると答えた人の中で、世代毎の平均年齢をとると、ミレニアル世代とゼネレーションX世代で78歳、ベビーブーマー世代では82歳となっている。
詳しくはこちら: https://www.aarp.org/research/topics/life/info-2018/driving-trends.html