JARECOニュースまとめ(2019/07/30)
市場ならびに市場関連数値
〇6月の既存住宅流通は1.7%減 (2019/07/23 NAR発表データ) 6月既存住宅流通戸数は対前月比1.7%下がって527万戸(年率換算値)となった。対前年同月比は2.2%減。NARチーフエコノミストのローレンス・ユン氏は、「非常な低金利、好調な労働市場、住宅価格上昇といった要因にも拘わらず、戸数伸びないのは在庫不足、特に需要旺盛な低価格から中位価格住宅売り物件不足による」とコメントしている。成約中位価格は$285,700(約3,100万円)で対前年同月比4.3%の上昇。売出物件在庫数は193万戸で、現在の販売状況からすると4.4か月分の在庫数である。平均成約日数は27日で、販売開始1か月以内成約は全体の56%。
詳しくはこちら: https://www.nar.realtor/newsroom/existing-home-sales-falter-1-7-in-june
〇また在庫不足へ戻る傾向あり (2019/07/09 realtor.comニュース) 不動産ポータルrealtor.comによると、今年度に入ってからの売出物件在庫戸数増加は思ったほど進んでおらず、6月の売出物件の中位価格は史上最も高い$316,000(約3,500万円)となっている。ローン金利は相当低くなってきているが、7年前に記録された30年物固定金利の3.3%までには下がっておらず、当時購入した人たちは、それだけ低い金利を借り換えてまで売りに出す必要はない、という人も相当いて、物件不足の一要因を作ってもいる。
詳しくはこちら: https://news.move.com/2019-07-09-Realtor-com-R-Predicts-Market-Shift-That-Could-Impact-Buyers-Well-Into-2020
〇購入能力は長期的には相当下落 (2019/07/10 Clever記事) 不動産エージェント検索サイトCleverによると、ここ50年間で住宅購入能力は大きく下がっている。1960年代と比較すると、実質的な中位不動産価格は121%増加したのに対し、中位所得は実質価値で29%しか改善していないとの調査結果となっている。一方で実質の賃貸家賃は70%増加している。所得上昇よりも賃料上昇や住宅価格上昇が上回っているので、当然ながら頭金を貯めることが難しくなり、これにより購入能力は容易に伸びないとしている。ただ、こうした数値傾向と違って、実質の所得上昇と不動産関連数値の上昇がかなり似通っている中西部だけは、依然として不動産購入が比較的容易に可能としている。
詳しくはこちら: https://listwithclever.com/real-estate-blog/home-price-v-income-historical-study/
〇単身世帯の増加が続く (2019/07ハーバード大学住宅調査共同センター研究報告書) 今後10年間で最も多く増加する世帯は単身世帯と予測される。2018年からの10年間で500万世帯、13%の増加をする。全体では1億2780万世帯から1置4000万世帯への増加。子どものいない夫婦も400万世帯ふえて10%の増加。夫婦で子供有り世帯は200万世帯の増加にとどまる。
詳しくはこちら: https://www.jchs.harvard.edu/research-areas/working-papers/updated-household-growth-projections-2018-2028-and-2028-2038
金融
〇住宅ローン借入額が多い州はどこか (2019/07/10 NARニュース) 個人ローン情報を提供する7/24Wallstreet調査によると、住宅ローン平均借入額が多い州は、当然ながら富裕な州が上位に来る結果となっている。1位はカリフォルニア州で$347,652(約3,800万円)、2位はハワイ州で$342,613(約3,700万円)、3位はメリーランド州で$256,744、4位はマサチューセtッツ州で$252,624、5位はワシントン州で$250,467等となっている。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2019/07/10/where-mortgage-debt-is-highest?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D1040%7CRealtorMagNews_2019_07_10%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS
業界動向
〇事業用仲介でジェンダーの違いは縮まったか? (2019/07/11 NARニュース) 不動産業界での女性進出は間違いなく進んできている。例えば各種不動産投資信託の役員は今春119名増えているが、うち60名(50.4%)は女性である。2015年は25%であったのが大きく増えている。カリフォルニア州では今年度末までに、州内に存在する上場企業の役員に最低でも必ず1名の女性役員を義務付け、2021年には、役員数5名の場合は2名が女性、その後は役員数6名以上の場合女性役員を3名とすることが決まっている。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2019/07/11/genders-differ-on-how-much-commercial-real-estate-has-improved-for-women?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D1051%7CRealtorMagNews_2019_07_11%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS
〇大家はネット上の評価に気をつかうべき (2019/06/28 RealEstateWeekly報道) 賃貸物件を探している借主は、オンライン上の物件評価サイトを大いに参照している。物件探し最初の時点で、64%の人がオンライン評価を読んでいて、平均で10件程度まで評価を参照している。また、「紹介された物件を気に入った後でも評価を読みますか?」という問いに、85%の人がそうしていると回答している。オーナーは、自分の物件がどのような評価を受けているか、オンライン上の評価をきっちりと読みこなす必要がある。
詳しくはこちら: https://rew-online.com/2019/06/more-renters-going-online-to-rate-their-landlord/
〇消費者には不動産業者への手数料が最大の頭痛 (2019/07/11 Real Trends誌記事) ブロックチェーンプラットフォームのShelterzoom調査によると、不動産取引にまつわる消費者最大の頭痛は手数料額とのこと。調査回答者の43%が「手数料は非常に高い」としていて、理由としては、「透明度不足」、「利益相反」、「コミュニケーション不足」が続いている。ずっと言われ続けてきた項目と言える。それに続く頭痛としては「過度なペーパーワーク」が39%、「時間がかかりすぎる」が36.6%、「非常に複雑」が28.2%、「当事者が多すぎる」が21.1%と続いている。一方で、30%の回答者は「現在のプロセスに満足」としている。
詳しくはこちら: https://www.realtrends.com/blog/commissions-are-leading-consumer-complaint-of-homebuying-process/
全体経済その他
〇銀行取引はオンライン (20190705 米金融自主規制機関調査) オンライン上で銀行取引を行う消費者は増加している。具体的には、銀行ユーザーの87%は折々オンライン取引を行い、59%は頻繁にオンライン取引をしている。パソコン、携帯デバイスの利用割合についてみると、パソコンは若者も高齢の人も使用しているが、携帯デバイスについては55歳以上が42%しか使わないのに対し、34歳までの若者は87%が使用している。 詳しくはこちら: https://www.usfinancialcapability.org/downloads/NFCS_2018_Report_Natl_Findings.pdf 〇最も幸せな州はどこか? (2019/07/03 USA Today記事) 人間関係、経済的安定性、絆の強いコミュニティ、良好な健康の享受、仕事の豊富さといったポイントをまとめた上での幸福度の高い州のギャロップ調査ランキングが発表されている。1位はハワイ州、2位はワイオミング、3位アラスカ、以下はモンタナ州、ユタ州、コロラド州、ヴァーモント州、デラウェア州と続いている。
詳しくはこちら: https://www.usatoday.com/story/money/2019/07/03/the-happiest-states-in-america/39584543/