JARECOニュースまとめ(2019/11/30)
市場ならびに市場関連数値
〇10月既存住宅流通戸数は1.9%増 (2019/11/21 NAR発表データ) 10月既存住宅流通戸数は対前月比1.9%増で546万戸(年率換算値)となった。対前年同月比では4.6%増となっている。NARチーフエコノミストのローレンス・ユン氏は、「低金利、雇用拡大、給与増加による自然な結果であり、売出物件不足が解消していけばさらに伸びる」との判断を発表している。中位成約価格は$270,900(約2.920万円)で対前年同月比6.2%上昇している。これで対前年同月比価格上昇は92か月連続となる。課題の売出物件数は177万戸で、9月にくらべて2.7%も減少している。
詳しくはこちら: https://www.nar.realtor/newsroom/existing-home-sales-climb-1-9-in-october
〇賃料上昇は6月以降停滞状態 (2019/10/29 ApartmentList社データ) 賃貸物件ポータルApartmentListによると、3月から6月にかけての全米賃料は平均1.3%上昇し、2017年夏以来の高い上昇率である。ただ6月以降はフラットとなって上昇していない。因みにここ1年の賃料増加は1.4%で、2014年から2017年の各年の2.1%から3.5%上昇には及ばない。
詳しくはこちら: https://www.apartmentlist.com/rentonomics/national-rent-data/
〇住宅コストが負担なのは持家より賃貸層 (2019/11/14 NARニュース) 住宅コストが月収の35%以上を占める割合は、10年前の28.8%から今は20.8%まで下がっている。だとすると住宅コストを負担と感じる人は減っているわけだが、それは持ち家率が下がっているからだと理由づける人もいる。10年前の持ち家率は67.9%だったが今は64.8%である。一方で賃貸層の総数は4,380万人へふくらみ、このうち40.6%もの人が月収の35%以上を賃料や公共料金に使用していてその負担感は重い。彼らは持ち家を実現するための頭金貯蓄がなかなかできない。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2019/11/14/cost-burdens-drop-for-owners-remain-high-for-renters?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D1670%7CRealtorMagNews_2019_11_14%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS
〇アップルが2,500億円を住宅問題解消へ支出 (2019/11/04 アップル社発表) グーグル、マイクロソフト、フェイスブックといったIT業界大手企業が相次いでカリフォルニア州の住宅問題を解決するための資金使用を発表しているが、アップルも同趣旨の発表を行った。Edelman Intelligence社調査によると、サンフランシスコエリアに在住するミレニアル世代の63%は同地域から外へ引っ越すことを検討している。こうした状況下、アップルCEOクック氏のステートメントは、「この地域で価格的に手の届く住宅が十分供給されないということは、われわれアップルがこの地シリコンバレーを故郷と呼ぶことがもうできなくなることを意味する」として、高騰した住宅問題への解決に25億ドル(約2,700億円)を使用し、同社保有土地での分譲支援、開発行為への支援、カリフォルニア州政府の住宅支援資金への支援等に使用していくとしている。
詳しくはこちら: https://www.apple.com/newsroom/2019/11/apple-commits-two-point-five-billion-to-combat-housing-crisis-in-california/
建築とリフォーム
〇住宅デザインの新トレンド (2019/10/29 houzz記事) リフォーム情報サイトHouzzが住宅デザインの新しい10のトレンドを特集している。暖色系の色、木材の梁、壁やドアのデカール、アーチ状のドア部分、高光沢のフラットパネル等が挙げられている。
詳しくはこちら: https://www.houzz.com/magazine/10-design-trends-coming-to-a-home-near-you-stsetivw-vs~126646512
テクノロジー
〇太陽光発電による節約は地域により様々 (2019/11/05 PRNewsWire報道) エネルギー効率用機器を販売するSense社調査によると、太陽光発電での年間平均節電金額は$1,075(約116,000円)である。これは年間の電気使用量の67%をカバーする。ただ詳細に州毎に見ていくと当然差があり、例えばユタ州では84%、カリフォルニア州では75%といった具合である。では日差しが少ない印象が持たれる東北部はどうかというと、意外に多くをまかなえており、ニューハンプシャー州76%、ヴァーモント州70%、マサチューセッツ州やニューヨーク州は67%といった具合である。また、いくらで売電できるかについて各州政府の規則が違っていて、通常の電気料金で売電する州がある一方で、補助金的な金額で売電できる州もあり、それによって上記パーセンテージが変わってくる。
詳しくはこちら: https://www.prnewswire.com/news-releases/will-solar-save-you-money-sense-data-reveals-that-potential-savings-depend-on-where-and-how-you-live-300951847.html
業界動向
〇NAR大会でMLSへの登録義務を再強調しての採択 (2019/11/11 NAR発表) NARは11月開催したサンフランシスコ大会で、MLS会員が受託した物件全てをMLSに登録することを義務付ける規則採択を行った。既にこうした規則はあるし、或いは売主がMLSへの掲載を望まない場合の除外規定もあるのだが、こうした姿勢をNARが改めて示したのは、市場で“ポケットリスティング”(MLSに掲載しない物件)が増えていることへの警鐘と思われる。いつもながらの市場の出来事と思われる。市場が好調ゆえに、消費者への忠誠より自分の利害を優先するお調子者の業者は繰り返し現れる。NARはまた、これまで会員に4年に1度受講を義務付けていた倫理綱領研修受講義務を3年に1度へ改訂採択した。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/live/article/2019/11/future-of-the-industry-this-weeks-hot-topics?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D1634%7CRealtorMagNews_2019_11_07%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS
〇AirB&Bが全物件をウェブ上に掲載することを確約 (2019/11/07 NARニュース) AirB&’Bブライアン・チェスキーCEOは、来年後半から、全てのAirB&B物件をウェブサイトに掲載すると語っている。そうして、全ての物件の写真、情報、持ち主のアイデンティティー等を精査するとしている。これは、ハロウィーンの晩にカリフォルニア州北部のAirB&Bに登録された物件のパーティで5名が殺害された翌日に発表された。同時に、登録物件の近隣に住む人たちが、AirB&B物件に対して懸念を持った場合、その懸念について連絡を受けるホットラインを設定するとも発表した。同氏は、「われわれの業界はあまりにもインターネットに任せ切りにしてきており、それを徐々に是正していかなければならない」と語っている。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2019/11/07/airbnb-vows-to-verify-all-listings-posted-at-its-site?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D1634%7CRealtorMagNews_2019_11_07%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS
全体経済その他
〇男女の初婚年齢がさらに上昇 (2019/11/20 国勢調査局データ) 国勢調査局人口統計によると、2019年に入って女性の初婚中位年齢が初めて28歳を超えた。19年前の2000年当時が25.1歳にて、この19年間という短い年月で3歳近く増えている。男性についても同じ傾向で、今年になってからの初婚中位年齢は29.8歳で、2000年当時の26.8歳から3歳増えている。同統計で最も年齢が低かったのは1956年で、女性が20.1歳、男性が22.5歳だった。
詳しくはこちらのデータ: https://www.census.gov/data/tables/time-series/demo/families/marital.html
〇予期せぬお財布状況遭遇は全体のほぼ半分 (2019/11月アメリカ退職者協会記事) 30歳以上が世帯主の世帯のほぼ半分47%は、昨年予期せぬ金銭的な困難に遭遇している。特にミレニアル世代、ジェネレーションX世代ではその割合がそれぞれ58%、54%と高く、ブーマー世代の38%よりかなり高い。この場合の金銭的な困難とは、具体的には、何かの支払に直面して苦痛を感じた場合を指している。具体的項目で一番多いのは不測の医療費支払で33%が経験したと回答しており、$3,000(約32万円)から$3,999(43万円)の範囲の金額であった。ただこうした経験をした人の50%は、その後6か月間でそうした厳しい状況から脱したと回答している
詳しくはこちら: https://www.aarp.org/research/topics/economics/info-2019/coping-with-unexpected-financial-challenge.html