JARECO-Eyecommunication

JARECOニュースまとめ(2020/05/30)

市場ならびに市場関連数値

○4月既存住宅流通戸数は17.8%減 (2020/05/21 NAR発表データ) 4月既存住宅流通戸数はコロナウィルス禍により対前月比17.8%減少し、433万戸(年率換算値)となった。対前年同月比でも17.2%の減少。北東部、南部、中西部、西部の4地区全てで減少。減少幅としては、2010年7月の22.5%以来の減少値。成約中位価格は$286,800(約3,100万円)で、対前年同月比7.4%の上昇。これで対前年同月比上昇は98か月連続上昇となる。売り出し在庫数は147万戸で、対前年同月比19.7%と大幅な減少。相変わらず販売日数は極端に短く27日であった。
詳しくはこちら: https://www.nar.realtor/newsroom/existing-home-sales-wane-17-8-in-april

○住宅探しのグーグル検索数は大きく上昇 (2020/05/14 LendingTree記事) オンラインで住宅ローン提供を行うLendingtreeは、「Homes for Sale」(販売中住宅)という言葉が50大都市でどれくらい検索されているか、新型コロナ騒動の初期と現在での比較調査分析を行った。4月末時点では全体で54%回復している。最低時期から最もリバウンドしたのはアリゾナ州タクソンで164.71%、続いてニューヨーク州ローチェスターで118.92%、フロリダ州ジャクソンビルが96.08%と続いている。
詳しい表はこちらで見られる: https://www.lendingtree.com/home/lendingtree-finds-that-google-searches-for-homes-for-sale-rebounding-from-2020-lows/

○賃料を支払っている割合は80% (2020/05/12 NARニュース) 全米集合住宅協会データによると、4月から5月にかけて賃料を、全額ないし一部支払っている割合は80.2%となっている。1,140万戸が基になっている。4月6日まとめの数値は78%だったので、若干改善している。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2020/05/12/80-of-tenants-paid-rent-in-april?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D2474%7CRealtorMagNews_2020_05_12%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

金融

○差押えや立ち退きの一時的禁止続く (2020/05/15 NARニュース) 米連邦住宅金融局(FHFA)は、政府系金融機関のフレディマックやフレディメイが保証する住宅ローンが事故となった場合の競売、強制退去執行についての一時停止期間を、従来の5月17日までから6月30日までに延長すると発表した。政府系金融機関が保証する住宅ローンは全体ローン数の70%に該当する。また、議会では、こうした差押えや立ち退きを向こう1年間の間停止する内容を含む法案(HEROES ACT)が審議中である。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2020/05/15/fannie-freddie-extend-ban-on-evictions-foreclosures?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D2500%7CRealtorMagNews_2020_05_15%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

建築とリフォーム

○4月新築着工戸数は30%減 (2020/05/19 全米ビルダー協会記事) 商務省発表4月新築住宅着工戸数は、戸建て650,000戸、集合住宅241,000戸、総数891,000戸(年率換算値)となり、対前月比30%の大幅減となった。地域としては、COVID-19罹患者が多い西部と北東部で数字が大きく落ちた。しかし、全米ビルダー協会会員の景況感によると、好転するのは近いとする会員が多く、しばらくすればまた元のペースに戻るとしている。
詳しくはこちら: http://nahbnow.com/2020/05/broad-declines-for-home-construction-in-april/?_ga=2.200159530.525483674.1589973597-692334493.1404301764

○買主を引き寄せるためのビルダーのインセンティブ (2020/05/12 realtor.com記事) 全米ビルダー協会によると、新築住宅販売に価格割引、付帯設備のアップグレード、取引費用の軽減など、インセンティブを付ける動きが加速している。完成済み新築住宅在庫は80,000戸、直近で完成する在庫は540,000戸と見られるが、3月の新築販売戸数は対前年比で9.5%減、失業率も急上昇する中でこうしたインセンティブが必要となっている。フロリダのディヴェロッパーで、決済費用として必要な$18,000(約200万円)を値引きするオファーが出たり、$600,000以上の新築について$50,000(約550万円)値引きするというディヴェロッパーも出ている。
詳しくはこちら: https://www.realtor.com/news/trends/new-home-construction-deals/

テクノロジー

○デジタル化に対応できている州は何処か (2020/05/14 StorageCafeデータ) コロナ禍でリモートワークが急激に浸透しているが、レンタル倉庫業StorageCafe調査によると、デジタル化に最も対応できている州はマサチューセッツ州、カリフォルニア州、ワシントン州である。州のIT産業活性化度合い、インターネット接続性と速度、世帯でのインターネット普及容易度等、10の要因を総合してランキングした。上記3州に続いてランキング入りしているのは、4位ニュージャージー州、5位メリーランド州。各州のランキングは下記記事の地図で見られる。
https://www.storagecafe.com/blog/best-prepared-us-states-for-digital-economy/

業界動向

○パンデミック下での鑑定業務 (2020/05/14 リアルターマガジン誌) パンデミック下で鑑定実務が何かと変化している。住宅へ鑑定士が到着する前に、所有者ないしエージェントは全てのドアを開け放っておく。照明はすべて点灯しておく。所有者が居住中の住宅であれば、鑑定作業中、所有者は屋外に待機してもらう。不動産エージェントは同行せず、鑑定士に伝えたい情報は事前にメールで送付しておく、といった具合である。もっとも6月末までは、フレディマックやファニーメイが、屋外からの鑑定とデスクトップ上での鑑定で足りるという特例を作っており、COVID-19の罹患者が多いニューヨーク州等ではこうした鑑定が現時点では多い。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2020/05/14/how-the-pandemic-is-changing-appraisals?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D2489%7CRealtorMagNews_2020_05_14%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

全体経済その他

○寄付をするアメリカ人の割合は減っている (2020/05/14 ピューリサーチ調査) 昨年度18歳以上大人の73%は何らかの慈善団体に寄付をしている。この割合は大恐慌時代の79%以来の史上最低数値である。当然ながら低所得世帯では割合が低く、年収$40,000(約430万円)以下の世帯では56%で、2017年より17%も下がっている。逆に$100,000(約1080万円)以上の世帯では、2017年の92%から今回の87%へ5%しか下がっていない。ただ、この調査は4月14日から28日にかけて実施されており、COVID-19下での状況を基に返答した人も多い可能性がある。
詳しくはこちら: https://news.gallup.com/poll/310880/percentage-americans-donating-charity-new-low.aspx

○打撃が大きい中小企業 (2020/05/14 国勢調査局調査結果) 国政調査局調査に対し、中小企業の51.4%はCOVID-19パンデミックにより大きな影響を受けていると回答している。特に宿泊・飲食関係の中小企業では83.5%が大打撃を受けているとしている。芸術・エンターテインメント業界は75.2%、教育産業は74.3%、ヘルスケアは69.5%となっている。ほぼ影響ないとしているのは7.6%のみ。調査対象の企業規模は従業員500名以下、週の売り上げ$1,000(約11万円)以上の企業である。
詳しくはこちら: https://www.census.gov/data/experimental-data-products/small-business-pulse-survey.html