JARECO-Eyecommunication

JARECOニュースまとめ(vol. 269)

パンデミックの更なる拡散で売りが抑制される可能性

市場ならびに市場関連数値

○2021年の注目すべき動向 (2020/12/16 NARニュース) 不動産業界のトレンド分析を行うSwanepoel Reportが、2021年の主なトレンドを以下のようにまとめている。ひとつには、パンデミックにより顕在化したトレンドで、ヴァーチャルな物件案内、リモートワークによる事務所の小型化、郊外への人の流出など。次に、反共獲得へのチーム営業の拡大、多くの人種における住宅取得の活発化。10年間でエージェント数を32,000人にまで伸ばしたeXp Realtyのような全面クラウドベースの業者の伸び。パンデミックによる住宅建築の滞りの継続、等が挙げられている。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2020/12/16/the-swanepoel-report-6-real-estate-trends-to-watch-in-2021?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D3709%7CRealtorMagNews_2020_12_16%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

〇ここ10年の世帯数は10%近い減少 (2021/01/01 国勢調査局データ) 2010年から2020年の10年間でアメリカの世帯数は1億1800万から1億2800万へ9.3%伸びた。ただこれは過去最低の増加率で、2019年から2020年の1年だけを見ると減少に転じている。また、18歳以下の子どもを含む世帯数は、ここ10年では180万世帯が減少している。コロナ禍で新生児出生数が下がるであろうから、こうした若者世代の減少はさらに増える可能性が高い。
詳しいデータはこちら: https://www.census.gov/topics/families/families-and-households.html

○買取転売は低調 (2020/12/17 AttomData社データ) 不動産情報提供会社AttomData社データによると、買取転売取引の件数は減少傾向だが、取引あたりの転売益は増加している。2020年度第3四半期の買取転売取引は、全住宅取引の5.1%で、全米の159大都市のうち93%において件数が減少している。しかし転売益平均額は$73,766(約760万円)で、前年平均の$61,800(約630万円)より上昇。購入時平均価格は$166,234で売却時平均価格は$240,000となっている。
詳しくはこちら: https://www.attomdata.com/news/market-trends/flipping/attom-data-solutions-q3-2020-u-s-home-flipping-report/

〇パンデミックで流出が多い州、少ない州 (2021/01/14 LendingTree調査) 住宅ローン情報オンライン提供サイトのLendingTree調査によると、パンデミックによりアメリカ人の半数は今年引っ越しをしたいと回答しているが、、回答内容を分析するといろいろ違った動きが見てとれるとしている。テキサス州在住者は、総じて州から出る意向が少ないのに対し、ニューヨーク州在住者は州外へ移りたいという意向が強い。ただ遠くではなく、隣のニュージャージー州へ引っ越したいという人が移住希望の25%を占める。移り住みたい州として最も多かったのはフロリダ州で、50州のうち14州においてフロリダが移住先として1位を占めた。
移住を希望する人の各州毎の詳しい意識分析数値はこちら: https://www.lendingtree.com/home/mortgage/lendingtree-study-reveals-the-top-states-where-residents-are-staying-put-moving-from-and-moving-to/

○郊外への移動が逆転し始めたかも (2021/01/04 NARニュース) パンデミックが始まって以降、ニューヨーク、サンフランシスコ、シカゴといったような大都市では人口が密でない郊外へ流れ、賃貸物件の空室率が50%まで高まることが頻発していた。しかし、ここに来てそうした郊外への動きが弱まっているデータも出始めている。ボストンリアルター協会の昨年10月データでは、マンション成約数は過去最高となっていたり、シカゴでは対前年同月比で39%成約増加、ニューヨークではやはり同数値が34%増などとなっている。サンフランシスコではまだそうした動きは出てはいない。都心に人が回帰する動きが強まるかどうか、今後の主要なかぎは、ワクチン接種の動向がどうなっていくかにかかるのではと考える業者が多い。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/01/04/exodus-to-the-suburbs-appears-to-be-reversing?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D3756%7CRealtorMagNews_2021_01_04%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

〇パンデミックの更なる拡散で売りが抑制される可能性 (2021/01/07 ファニーメイ調査結果) ファニーメイ(連邦住宅抵当公庫)による12月消費者意識調査によると、売主側で売却への不安が増している。売主の景況感は昨年4月以来の低さとなっている。売り物件数がさらに減るようなら、ますます住宅価格の高どまりを呼ぶことが懸念される。11月調査からの変動は以下の通り。今が買い時と考える買主は57%が52%に、今が売り時と考える売主の割合は59%が50%に。これらは、12月に入って勢いがさらに増した新型コロナウィルス感染者数拡大を反映しているとみられる。
詳しくはこちら: https://www.fanniemae.com/research-and-insights/surveys/national-housing-survey

金融

○住宅ローン史上最低値で迎えた新年 (2020/01/07 フレディマック) フレディマック(連邦住宅金融抵当公庫)発表データによると、今年度第1週の住宅ローン金利が史上最低数値で始まっている。同公庫はここ50年間数値をとってきているが、第1週の30年固定物住宅ローン金利は2.65%で最低値なった。同公庫チーフエコノミストのKhater氏は、「ここ1年間で1%金利が下がったが、住宅価格上昇により購買能力の上昇は抑え込まれてしまった。一方で、ここ数か月の動向を見ると、今年の金利は上昇へ向かう兆候は出ている」と語っている。なお、NARでは、今年の平均金利は3.1%となっていくとの予測をしている。
詳しくはこちら: https://freddiemac.gcs-web.com/news-releases/news-release-details/mortgage-rates-hit-new-record-low-first-week-2021?_ga=2.58489519.42754301.1610103422-2141853745.1602240324

業界動向

○1月6日議事堂騒乱のその後 (2021/01/08 NARニュース) 1月6日に起きた米国議事堂乱入事件を受け、シカゴの不動産業者@Properties社は、議事堂へ向かいその様子をSNSに投稿した同社のエージェントとの契約を解除した。このLibby Andrewsという女性エージェントは、「議事堂へは行ったが、乱入には加わっていない」と語っているが、会社としては契約解除の動きとなった。不動産業に限らず、いろいろな業種において、議事堂乱入に関わった従業員を解雇したりする動きは出ている。ただ、弁護士によると、「議事堂へ向かっても、乱入して暴力を働いた人間と、そうでなかった人間への対応は異なるべき」という意見も出ている。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/01/08/agent-at-capitol-riot-faces-professional-consequences?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D3782%7CRealtorMagNews_2021_01_08%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

〇倫理綱領違反で多い項目 (2020/11/19 NAR) 悪意でなくともNAR倫理綱領に反し各地のリアルター協会へ訴えられるケースとして多い違反行為をNARが発表している。よくある違反行為として挙げられている項目は以下のようなものが多い。売り物件受託時の市場価格を上回る査定価格提示、全ての買付申込の売主への伝達ミス、売主の金銭的問題情報の開示違反、人種・性別・宗教・出身国籍等により他リアルターとの協力拒否、不正確な情報のウェブ掲載、著作権侵害する画像等の使用、公正住宅法規定違反、等。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2020/11/19/how-to-be-code-compliant?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D3782%7CRealtorMagNews_2021_01_08%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

全体経済その他

〇死亡原因の第3位はCovid-19に (2021/01/04 米国疾病予防センター) 米国疫病予防センター(CDC)がまとめた2019年度のアメリカ人の死亡原因の1位は心臓関連の病気で659,041件、2位は悪性腫瘍で599,601件、3位は事故死173,040となっている。しかし、昨年2020年度については、12月31日時点でのCDCデータで344,497人が新型コロナウィルスが原因で死亡しており、結果としてコロナによる死者は、昨年度の死亡原因の3位となることはほぼ間違いない状態である。
詳しくはこちら: https://www.cdc.gov/nchs/fastats/leading-causes-of-death.htm