JARECOニュースまとめ(vol. 272)
パンデミック下での移動増加には金銭的理由あり
市場ならびに市場関連数値
○パンデミック下での移動増加には金銭的理由あり (2021/02/04ピューリサーチセンター調査) パンデミック初期に引っ越しをした人たちの多くは感染したくないという理由を挙げていたが、最近は金銭的理由で引っ越す人たちが増えている。昨年6月ならびに11月時点の調査によると、経済定期理由で引っ越した人の割合は18%から33%へと高まった。ウィルスの危険を避けるためというのは28%が14%へと下がっている。全体数値として、アメリカ人の5%がパンデミックにより一時的ないし恒久的に引っ越している。割合が特に高いのが18から29歳までの若者で10%になっている。
詳しくはこちら: https://www.pewresearch.org/fact-tank/2021/02/04/as-the-pandemic-persisted-financial-pressures-became-a-bigger-factor-in-why-americans-decided-to-move/
○住宅価格上昇率が高かった地域の郵便番号 (2021/02/05 ATTOM Data Solutions社データ) 昨年第3四半期と第4四半期を比較して、住宅価格純資産額上昇率が最も高かった地区を郵便番号で表示したデータをATTOM DATA Solutionsが発表している。西海岸地区にそうした地区は多く、以下のような郵便番号(地域名)となっている。90303(カリフォルニア州Inglewood)、91207(カリフォルニア州Glendale)、93013(カリフォルニア州Carpentiria)等が挙げられている。
詳しくはこちら: https://www.attomdata.com/news/market-trends/figuresfriday/top-10-zips-with-biggest-improvements-in-equity-rich-share-of-homes-in-q4-2020/
建築とリフォーム
○住宅リフォームが盛んになっている (2021/02/03 HomeAdvisorレポート) リフォーム関連情報提供サイトHomeAdvisorレポートによると、パンデミックにより住宅内で過ごす時間が増えるにつれ、リフォーム金額が増加している。住宅内で過ごす時間が増えたという回答者は85%、リフォームしたい箇所に気づいたとする人は63%となっている。リフォームをしたいという希望は全年齢層に及ぶ。27%は室外のリフォームを、40%は娯楽面でのリフォームを、50%は仕事用スペースのリフォームを、70%はキッチンのリフォームを挙げている(複数回答可)。年間リフォーム金額の平均値は$13,138(約138万円)で前年の$9,081(約95万円)から大きく増えた。
詳しくはこちら: https://www.homeadvisor.com/r/true-cost-report/
〇住宅デザインのトレンド (2021/02/10 リアルターマガジン誌記事) 全米ビルダー協会(NAHB)年次総会がヴァーチャルで開催されたが、3階建て住宅デザインが発表され注目されている。フロリダ州のウィンターズパークで建築されたこの住宅では、3階にリビングルームとキッチンを置いて光と景色を最大享受できるようにし、窓を14フィート(約4.2m)の高さでガラス張りとし、バルコニー2つに面すようにしている。2階部分は寝室やエクササイズルーム、サウナ、ラウンジとし、1階と地下室は駐車場、ペットルーム、庭、バスルーム付きのゲストルーム、事務所スペース、玄関口となっている。
実際の住宅画像はこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/02/10/the-2021-new-american-home-unveils-design-flip?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D3956%7CRealtorMagNews_2021_02_10%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS
○LEED認証済住宅建築が多い州 (2021/02/10 米国グリーンビルディング協会) 環境性能評価システムLEED認証を得た建物で多いのは、オフィス、医療関連、教育関連のビル、倉庫、配送センター、賃貸住宅等である。こうしたLEED認証を得た1,171の建物について、その人口1人あたりの床面積が多い州をグリーンビルディング協会がランキングして発表した。1位はマサチューセッツ州、2位ワシントン州、3位イリノイ州、4位コロラド州、5位ニューヨーク州と続く。LEED認証を受けるためにクリアすべき基準は、CO2排出量、エネルギー効率、使用水量、廃棄物量等が設けられている。
詳しくはこちら: https://www.usgbc.org/leed/why-leed https://magazine.realtor/daily-news/2021/02/10/the-top-10-states-for-leed-green-building?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D3956%7CRealtorMagNews_2021_02_10%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS
○今年流行する色は何か (2021/02/04 FixR記事) リフォーム情報提供サイトFixRが68名の著名デザイナー向けに行ったアンケート結果によると、54%のデザイナーが、今年は素朴で暖かい色が流行すると回答している。63%が白とクリーム色が主流となるとし、81%は住宅所有者の色の好みにパンデミックが影響を与えているとしている。その他回答として選ばれているものは、32%が暖系の中立色、13%がソフトなグレー等としている(複数回答可)。
詳しくはこちら: https://www.fixr.com/blog/2021/02/04/paint-color-trends-2021/
政策
○FHFA保証ローン支払い猶予をさらに3か月延長決定 (2021/02/09 連邦住宅金融局発表) 連邦住宅金融局(FHFA)が、ファニーメイ、フレディマックといった政府系金融機関が保証した住宅ローンについて、支払猶予措置を3か月延長すると発表した。これにより、2月末時点で支払い猶予措置を既に受けている人は、総合計で15か月分まで住宅ローン支払いを一時停止しても法的な強制措置を受けることはない。同時に、ファニーメイとフレディマックは、2月末まで行っている差押え措置の一時停止を1か月延長して3月末までとすることを発表した。
詳しくはこちら: https://www.fhfa.gov/Media/PublicAffairs/Pages/FHFA-Extends-Foreclosure-and-REO-Eviction-Moratoriums-and-COVID-Forbearance-Period.aspx
テクノロジー
○ヴァーチャルリアルティ会社が上場を計画 (2021/02/09 NARニュース) 不動産のヴァーチャルリアリティ―サービス提供大手Matterport社が、投資会社Gores Groupの特別買収目的会社(SPAC)としてNASDAQに上場する計画をしている。時価総額 は20億ドル(約2,100億円)を越すと予測されている。同社創業は2011年だが、ヴァーチャルでの物件表示サービスは、パンデミックで驚異的に伸びて利用者数は5倍に伸び、2020年度売上高は8,590万ドル(約90億円)に達したとみられる。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/02/09/virtual-reality-tech-firm-matterport-to-go-public?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D3949%7CRealtorMagNews_2021_02_09%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS
全体経済その他
〇1月6日議事堂乱入の分析 (2021/01/29 シカゴ大学調査) 1月6日議事堂乱入事件を分析した調査が出ている。乱入した人の94%は白人、男性は86%。年齢は35歳から44歳が32%、45歳から54歳が24%、55歳以上が12%の構成。9%は失業者、27%は肉体労働者、13%は事業経営者、10%は戦闘的な右翼グループと自称する人たち。全体としてトランプ支持者と極右の人が混じった構成になっており、調査した側は、「これまでのような極右集団による騒動とだけ捉えては対応を間違える」としている。
詳しくはこちら: https://d3qi0qp55mx5f5.cloudfront.net/cpost/i/docs/americas_insurrectionists_online_2021_01_29.pdf?mtime=1611966204
〇大学卒業生の10年後 (2021/01/13 米国教育統計センターデータ) アメリカでは、ミレニアル世代の40%が学士号を保有しているが、うち4分の3はそのために負債を負っている。2007年から8年にかけての学士号取得者について調査したところ、63%は住宅を保有し、中位所得額は$67,500(約710万円)にて、経済的に良い環境にいるといえる。しかし全てよいニュースばかりではなく、全体の20%は保有純資産額がマイナスとなっている。特に黒人ではその割合は37%と高い。全体の72%は学位取得のために中位価格で$32,116(約335万円)の教育ローンを借りていた。黒人では$51,395(約540万円)となっている。学位取得後10年後に毎月支払っている教育ローンの平均額は$427(約45,000円)で、55%が依然として支払いを続けている。
詳しくはこちら: https://nces.ed.gov/pubsearch/pubsinfo.asp?pubid=2021241