JARECO-Eyecommunication

JARECOニュースまとめ(vol. 275)

キャピタルゲインを大きく得てきた都市とその数値

市場ならびに市場関連数値

○2020年度持ち家率は2ポイント上昇して64.6% (2021/03/09 国勢調査局データ) 国勢調査局調査によると、2020年度持ち家率は2019年の64.6%から2%上がって66.6%となった。全ての年齢層で上昇しているが、率が一番高いのは65歳以上で80%、一番低いのが25歳までの大人で25.7%となっている。持ち家率が最高を記録したのは2004年の69%で、まだその数値には及ばない状況で経過している。
詳しくはこちら: https://www.census.gov/housing/hvs/data/ann20ind.html

○キャピタルゲインを大きく得てきた都市とその数値 (2021/03/08 NARエコノミストブログ) アメリカ人保有の純資産内訳を見た場合、そのほとんどを持ち家が占める場合が多い。例えば10年前の全米の中位住宅価格は$170,567(約1,840万円)だったが、それが今の中位住宅価格は$315,700(約3,400万円)となってキャピタルゲインとなっている。30年間程度保有すると、価格は平均で$307,979上昇している。ここ10年で住宅価値が大きく上昇した都市の上昇額を見ると、カリフォルニア州のサンノゼからサニーベールにかけてのエリアが$929,471(約1億100万円)、サンフランシスコからオークランドにかけてのエリアが$761,204(約8,300万円)、アナハイムからアーバインにかけてのエリアが$509,806、ロサンゼルスからロングビーチにかけてのエリアが$430,196等と、高い上昇額を記録している。
詳しくはこちら: https://www.nar.realtor/blogs/economists-outlook/metro-area-wealth-gains-from-homeownership-as-of-2020-q4

○出生率低下の住宅市場への影響 (2021/03/04 NARエコノミストブログ記事) アメリカの2019年出生率は1ポイント減少した。小さい数値に見えるが、実はここ100年間で最低の58.3(15歳から44歳までの女性1,000名あたりの出生数)となった。人種別には白人(ヒスパニック除く)で2ポイント減少し、その他人種全てでも低下している。当然ながら、子供(18歳以下)を持つ世帯が住宅購入に占める割合は、1985年の58%から2020年には33%に低下している。これら子供同居世帯が家探しをする際の最も高いニーズは良い学校が近隣にあることで、49%がそうした希望を持つが、子供がいない世帯の場合はその割合は11%しかいない。家のサイズなども子供世帯はニーズとして大きいが、子供のいない世帯ではあまり大きな関心事ではない。今後の出生率低下動向により、主要な住宅購入のニーズも大きく変化していく。
詳しくはこちら: https://www.nar.realtor/blogs/economists-outlook/national-baby-bust-is-mirrored-among-home-buyers?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed:%20EconomistsOutlook%20(Economists%27%20Outlook)

○退職者が多く移り住む都市はフロリダとは限らない (2021/03/08 realtor.com記事) 退職者はフロリダへ移り住むという定着したイメージがあるが、フロリダ以外でも経済的に割安感がある都市に、多くの退職者は移り住んでいる。不動産ポータルrealtor.comが集計した移住者数が多い都市ランキングで、1位はフロリダ州のLakelandだが、2位はミシガン州Traverse City、3位はマサチューセッツ州Springfield、4位はアイダホ州Coeur d’Alene、5位がノースカロライナ州Wilmingtonといったように、フロリダ州以外の都市が入っている。
詳しくはこちら: https://www.realtor.com/news/trends/fastest-growing-retirement-destinations/

○新しい類のリモート移動者 (2021/03/08 MarketWatch.com記事) パンデミック禍でいろいろな形態のリモートワーカーが登場しているが、冬に入り、AirB&Bで賃貸予約し温暖な地区のビーチ沿いに住むといった人たちがいる。場所はアリゾナ、カリフォルニア、フロリダといった温暖地域で、15日以上の長期滞在をしている人が多い。従来このパターンの季節移動は退職者が主だったが、今は世帯主が働く家族がこの移動パターンを採用している。学校がリモート授業になってしまっている家族がいるので、子供を連れての長期滞在世帯がいる。例えばフロリダ州フォートローダーデールのアトランティックホテル&スパでは、冬季に入って全体の14%がそうした家族による2週間以上の予約で、10%は30泊以上の予約となっている。
詳しくはこちら: https://www.marketwatch.com/story/what-are-snowmads-and-should-you-become-one-11614979260

建築とリフォーム

○住宅設備機器不足問題 (2021/03/09 NARニュース) 全米ビルダー協会による会員向け2月調査結果によると、新築を行う際の住宅設備機器調達に51%が「非常に苦労している」、38%が「ちょっと問題となっている」と回答し、住宅設備機器供給不足が表面化している。例えばキッチンを据え付けるについて、冷蔵庫、マイクロオーブン、皿洗い機、レンジ等、のき並み納入遅れがあるとのこと。こうした傾向はパンデミックが始まった昨年3月には顕在化していたが、人が家にいる時間が増えたことで設備機器の使用頻度が上がって故障修繕、買換えといったケースが増えた一方で、こうした事態をメーカー側は全く予想していなかったことが背景にある。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/03/09/appliance-shortages-remain-a-common-headache?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D4150%7CRealtorMagNews_2021_03_09%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

テクノロジー

○人気を博す太陽光発電とその蓄電システム (2021/03/03 ニューヨークタイムズ記事) 太陽光パネルで発電、電気を高性能バッテリーに充電し折々使用するという事が人気を増している。例えばソルトレークシティーの600戸の大型アパートでは、Soleil Lofts社のシステムを利用して、12.6メガワットの電気を充電供給できるようにしている。戸建て所有者がシステムを導入すれば、毎月$20(約2,200円)程度の節約にはなる。賃貸住宅オーナーが導入すれば、電気代が少しでも減って入居者は喜ぶ。最近のテクノロジーでは、バッテリーの蓄電性能がより優れたものに進化しているので、クリーンエネルギー導入の動きはますます加速すると思われる。
詳しくはこちら: https://www.nytimes.com/2021/03/03/business/energy-storage-batteries-developers.html

全体経済その他

○普通郵便配達数は20年前の半分 (2021/03/01 アメリカ郵便公社データ) アメリカの普通郵便配達数は2001年がピークで、1,040億通を記録していた。そこから減り続け、昨年2020年は530億通へと49%減っている。この減少の圧倒的多数部分は、2007年スマートホンが登場して以降に生じている。 毎年の普通郵便通数の変動は、下記サイトにて見ることができる。 https://about.usps.com/who-we-are/postal-history/first-class-mail-since-1926.htm ○最低賃金の動向 (2021/02/01 労働統計局記事) アメリカ合衆国の最低賃金額は1時間あたり$7.25(約790円)で2009年以来変化していない。一方で各州が定める最低賃金はこの額を上回っており、最低賃金額以下の賃金しか受け取っていないのは1.5%の就労者のみである。数にすると110万人程度で、うち43%は25歳から54歳に属する。60%はレジャー産業関連に従事している。54%は、食事提供関連サービスへの従事者である。
詳しくはこちら: https://www.bls.gov/opub/reports/minimum-wage/2020/home.htm

○週3日仕事という時代への端緒についたのか? (2021/03/08 NARニュース) ジョーンズラングラサールが働き方について、各国で2000名に調査した結果によると、72%の人はもっと多く家で働きたいという希望を持っている。パンデミック前は同じ調査で34%だったので倍以上となっている。66%は、オフィス、家、リモートワーク施設を併用した働き方を望んでいる。リンクトインのアンケートでは、州のうち3日をオフィスで働き、2日を家で働き、2日は休みというパターンが一番人気という結果も出ている。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/03/08/is-the-new-workweek-3-days-in-2-days-out?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D4142%7CRealtorMagNews_2021_03_08%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS