JARECOニュースまとめ(vol. 277)
戸建て賃貸が伸びている都市とその利回り
市場ならびに市場関連数値
○戸建て賃貸が伸びている都市とその利回り (2021/03/26 ATTOM DATA SOLUTIONS社) パンデミックにより、戸建住宅購入ばかりでなく戸建賃貸居住の需要も増えている。投資として戸建賃貸投資の利回りが高いのは中西部と南部となっている。ATTOM DATA SOLUTIONS社では、戸建賃貸投資利回りが10%を越す都市のランキングを含め、全米各都市での戸建賃貸投資利回りを分析したレポートを発表しており、各都市での利回りを以下サイトの地図で見ることができる。
https://www.attomdata.com/news/market-trends/single-family-rental/attom-data-solutions-q1-2021-single-family-rental-market-report/
○パンデミックで高まったプールやホットバスの需要 (2021/03/27 MarketWatch記事) ファイナンスや株価情報等提供するMarketWatchによると、昨年度の住宅へのプール設営数は対前年度比21%増加し、1月の受注数は、これも対前年同月比で30%増加している。この増加率は業界としては過去最高とのこと。ホットバス(ジャグジー)も、受注数については対前年度比400%の増加で、工事発注を受けても最速で6か月かかるとのこと。パンデミックがもたらした事象で、「プール付」というのが住宅探しのキーワードのひとつになっている。また、AirB&Bなどの短期賃貸物件探しでも、「プール付」という言葉がキーワードとして増えている。
詳しくはこちら: https://www.marketwatch.com/story/real-estate-agents-are-rethinking-decades-of-advice-on-pools-11616702127
テクノロジー
○ネット漬け状態の人はどれくらいいるか (2021/03/26 ピューリサーチセンター調査結果) ほぼ常にネットを眺めているアメリカ人は31%となり、2015年当時の21%から10%増加している。1日数回という人は48%、1日に1回という人は6%、週数回という人は4%、さらに少ない人が4%、全く見ないという人が7%という結果となっている。ただ、ほぼ常にネットを眺めているという人の割合を年齢別にみると、18歳から49歳の人では44%と高い。学歴から見ると、大学卒が42%となっていて一番高い。
詳しくはこちら: https://www.pewresearch.org/fact-tank/2021/03/26/about-three-in-ten-u-s-adults-say-they-are-almost-constantly-online/
業界動向
○不動産業でのSPAC上場が増えている (2021/03/30 NARニュース) 特別買収目的会社(SPAC)形態での上場が不動産業関連で増えている。Cushman & Wakefield、 RXR Realty、Simon Property Group、Tishman Speyer、Opendoor、Matterportといったところが代表例だ。リスクを伴う新規公開株(IPO)方式を避けて上場する方法として、この方式は「空箱(Blank Check)方式」と呼ばれ、既存企業をSPACが買収して上場させる。今年に入ってSPAC方式で上場調達された資金は9,670億ドル(約1兆400億円)で、今はワークスペース提供会社のWeWorkがこの方式での上場を計画している。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/03/30/real-estate-s-spac-wave-continues?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D4297%7CRealtorMagNews_2021_03_30%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS
○NAR会員の職業選択は自発的な人が多い (2021/03/30 NARレポート) 不動産業をどのような形で選んだかをNARが会員向けに調査したところ、居住用不動産を取り扱う人の62%、事業用不動産を取り扱う人の59%は、何か業界に関連がある人からの影響で不動産業を目指したわけではなかった。前者の47%、後者の52%の人は、起業家精神を発揮できるという自らの判断で不動産業を選んでいる。中位業歴年数では、白人系が10年、アジア系が5年、ヒスパニック系ならびに黒人系が4年となっている。居住用系の21%、事業用系の66%の会員は$100,000(約1,100万円)の所得を得ている。
詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/03/30/nar-survey-offers-positive-snapshot-of-member-productivity?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D4297%7CRealtorMagNews_2021_03_30%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS
○不動産仲介業会社上位500社ランキング (2021/03/25 Real Trends社発表データ) 不動産業界誌Real Trendが2020年度不動産仲介業取引件数と取扱高ランキング上位500社を発表した。取引件数(片手件数ベース)は対前年度比で15.9%増加している。1位はHome Services of Americaで343,200件、2位はRealogyで333,737件、3位にeXpRealtyが対前年比82.9%の伸びで238,981件、4位はCompass社で144,784件、5位はHaward Hanna社で105,455件となっている。取扱高では1位がRealogyで1,845億ドル(約20兆円)、2位がCompassで1,517億ドル(約16.5兆円)、3位Home Services of Americaで1,504億ドル(約16.4兆円)、4位eXpRealty、5位RedFinとなっている。
詳しくはこちら: https://www.realtrends.com/real-trends-500/
全体経済その他
○宗教会派に属する信徒が過半数を割る (2021/03/29 ギャロップ調査結果) ギャロップ調査によると、何らかの宗教会派に属する信徒は、昨年2020年に史上初めて人口の50%を割って47%となった。第二次戦争直後は76%で、2000年までは70%台を維持していたのが、ここ20年で急激に減少している。年齢別にみると若者の宗教離れは鮮明で、ブーマー世代が66%なのに対し、ミレニアル世代は36%となっている。
詳しくはこちら: https://news.gallup.com/poll/341963/church-membership-falls-below-majority-first-time.aspx
○若者の多くが精神的な問題を抱える (2021/04/02 疾病予防管理センター記事) 疾病予防管理センター(CDC)によると、パンデミックはアメリカ人の多くに精神的打撃を与えており、特に若者への影響が強い。学校がリモート授業となり、職業を見つける困難さも増し、ソーシャルディスタンスにて友達や恋人との出会いも減っていることが背景にある。国勢調査局調査結果を疫病予防管理センター(CDC)が分析したところ、こうした傾向は昨年8月以降悪化し続けている。いらいらする、心配になる、追い詰められる、集中できない、鬱を感じる等の精神的問題を感じる割合が増えているのだ。昨年8月調査では、そうしたことを経験している大人は36.4%だったが、今年2月調査では41.5%と増加している。年齢別には18歳から29歳で57%と一番高く、一番低いのは80歳以上で22.5%となっている。
詳しくはこちら: https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/wr/mm7013e2.htm?s_cid=mm7013e2_e&ACSTrackingID=USCDC_921-DM53115&ACSTrackingLabel=MMWR%20Early%20Release%20-%20Vol.%2070%2C%20March%2026%2C%202021&deliveryName=USCDC_921-DM53115
○アメリカ人の34%はワクチンを1回接種済 (2021/3/24 国勢調査局データ) 3月中旬時点で、ワクチン接種を少なくとも1回は受けたアメリカ人は全体の34%となった。2月末の25%から9ポイント上昇している。年齢別では65歳以上が70%と一番高く、55歳から64歳が33%で続く。若者世代の18歳から24歳ではまだ13%にとどまる。ワクチンを受けたくないので接種していない人は4,300万人で、2月末調査の4,600万人から若干減少した。うち、ワクチンを信用できないから、と言う人の数は約1,000万人である。
詳しくはこちら: https://www.census.gov/data/tables/2021/demo/hhp/hhp26.html
○中小企業の悲観論が初めて50%を下回る (2021/03/22 国勢調査局データ) 中小企業のパンデミック禍への悲観論が、ここ数か月で初めて50%を下回った(3月8日から24日にかけての調査数値)。「通常状態に戻るのに、向こう6か月以上かかる」と「通常状態にはもう戻らない、あるいは既に休業した」と回答した中小企業の合計は49.%であった。悲観論が50%以下となったのは、昨年6月7日から13日にかけての調査以来である。「通常状態へ6か月以上かかる」と回答したのは40.1%、「もう元には戻らない」との回答は7.3%、「既に休業した」との回答は2.1%となっている。ただし、業種を限ってみると、飲食サービス業の69%、エンターテインメント業種の66%、教育関連サービスの69%は依然として悲観的な予想を持っている。
詳しくはこちら: https://portal.census.gov/pulse/data/#data