JARECOニュースまとめ(vol. 288)
6月既存住宅流通戸数は対前月比1.4%増
市場ならびに市場関連数値
○6月既存住宅流通戸数は対前月比1.4%増 (2021/07/22 NAR発表データ) 6月既存住宅流通戸数は、対前月比1.4%増加して586万戸(年率換算値)となった。中位成約価格は$363,300(約4,000万円)で、対前年同月より23.4%上昇している。この上昇率は、1999年以降で2番目の高さである。懸案の売り物件不足は5月からは3.3%増えて125万戸となったが、対前年同月の154万戸より18.8%依然として少ない状態が続いている。平均成約期間は17日で5月と変わらず。 詳しくはこちら: https://www.nar.realtor/newsroom/existing-home-sales-expand-1-4-in-june
○住宅価格高騰、そろそろ収束するか (2021/07/19 NARニュース) NARが発表する既存住宅流通データによると、ここ1年で既存住宅は24%近く値上がりして$350,300(約3,850万円)となっており、NARはこれほどの価格高騰はまれにみることであるという警鐘を鳴らし続けている。問題なのは、$300,000(約3,300万円)以下の需要が多い住宅の売り物件在庫が極端に少ないことである。さらには新築住宅供給も必要だが、ビルダー側での動きは鈍い。売り物件不足により、1件の物件にオファーが殺到する状態が続いてきたが、現場では買主側の購入意欲に疲れが指摘されるようになってきた。高すぎて手が出せないという人も増え、売り手市場とはいえ、活発な活動が沈静化していく可能性がある。 詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/07/19/yun-we-ve-never-seen-prices-appreciate-this-fast?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D4929%7CRealtorMagNews_2021_07_19%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS
○増える複数世帯同居 (2021/07/12 NARニュース) ニューヨークタイムズ報道によると、複数世帯で同居する動きが増えている。NARのデータでも、パンデミック初頭の昨年4月から6月は売買件数の15%が複数世帯向け住宅だった。これは2012年以降で最大の数値割合で、「複数世帯で購入するのでお金の準備が大丈夫」という購入理由が多かった。また、「おじいちゃんおばあちゃんに孫の世話をしてもらいつつ働く」という購入世帯も多かった。 詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/07/12/affordability-drives-more-family-members-to-buy-together?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D4881%7CRealtorMagNews_2021_07_12%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS
○Facebookによる不動産大規模開発 (2021/07/12 Architectural Digestニュース) Facebookは本社が所在するカリフォルニア州Menlo Park近くの59エーカー(約0.24平方キロ)の土地に、1729戸のアパート、193室のホテル、125万平方フィートのオフィスビル、小売店等を展開する不動産開発投資を行っている。このプロジェクトはWillow Villageと呼ばれ、サンフランシスコの開発業者Signature Development Group とFacebookによる共同開発だが、分譲物件はFacebook従業員のみに供給されるわけではない。Googleも同じような動きをしており、サンノゼ市からDowntown Westという不動産開発の許可を得ている。4,000戸の住宅、300室のホテルが含まれ、来年開発が始まる。 詳しくはこちら: https://www.architecturaldigest.com/story/facebook-real-estate-menlo-park
金融
○住宅ローン支払い額が増加 (2021/07/09 NARエコノミストoutlook) 住宅価格上昇は続いているが、給与上昇の割合はそれに追いつかず、住宅購入能力は低下している。NAR5月市場データによると、中位所得上昇は1.2%の一方で、月額ローン支払い額は20%増加して$1,204(約132,000円)となっている。金利はあまり変わらないが、中位住宅価格が対前年同月比で24.4%も上昇したのが原因である。西海岸地区に限ると、年収にの中で住宅関連支出割合は22.1%と高い。 詳しくはこちら: https://www.nar.realtor/blogs/economists-outlook/housing-affordability-falls-in-may-as-home-prices-rise-faster-than-income
建築とリフォーム
○フロリダのマンション崩壊事故その後 (2021/07/09 Yahooニュース) フロリダ州Surfsideのマンション崩落事故以降、同エリアで2000年以前に建築されたマンションを購入する動きは完全にストップしている。また、マンションを購入する際の買主の修繕記録や管理状態についてのチェックは相当厳しいものとなっている。崩落したChapman Towers Southマンションは1982年築のマンションで、ちょうど築後40年検査を受けている最中の崩壊だった。検査を行っていたエンジニアたちは、コンクリートスラブに主要な損傷があって、この修繕に数百万ドル(数億円)必要という見解を持っていた。同地区ばかりでなく、フロリダ州全域の古いマンションについては、「エンジニアリングレポートを出してくれ」という要望がひっきりなしとなっているが、そうしたレポートが出せるとしても、かなりの修繕が書きこまれていくことになり、当面このエリアの古いマンションは値崩れ状態が続いて買い手が付きにくい状況が続くと予測される。結局は古いマンションを取り壊してディヴェロッパーが新しいマンション開発を行うという事例が増えていく可能性大である。 詳しくはこちら: https://news.yahoo.com/condo-collapse-could-reshape-miami-083017733.html?guccounter=1&guce_referrer=aHR0cHM6Ly9tYWdhemluZS5yZWFsdG9yLw&guce_referrer_sig=AQAAAJLCcMwCF1MR7sMnYHbqvlAyNtxHeV1u2P2ehtnlFQe-r0AMLtMxbum1zXnVtbgzZH6z_yoqCzMVfq1kU-wsNUldp7M-SGZurM7MzlLoQBSovIgqir9EDk6Z9hJYkzxcWvL4HxRBrjBcxq_BnmY46cGTbaZHRlt_TtuMEg436d_X
○温室を作る人が増えた (2021/07/13 NARニュース) パンデミックで庭いじりをする人の数が相当増え、そのために庭の一部分を温室にするケースが多いとウォールストリートジャーナルが報じている。戸建ての庭ばかりでなく、マンハッタンのマンションのベランダに温室が作られ、蘭、多肉植物、パッションフラワー、ゼラニウムといった植物を栽培して心を安んじている人も多いとのこと。大型で110㎡ぐらいの数千ドルかかるものから、数百ドルの簡易的で小規模なものまで、いろいろ使われている。中には大型の温室を作り、その中でリモートワークをしている人さえいたりする。 詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/07/13/greenhouses-grow-in-demand-as-gardening-takes-off?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D4891%7CRealtorMagNews_2021_07_13%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS
政策
○バイデン政権による住宅供給不足についての政策 (2021/07/19 NARニュース) 最近バイデン大統領が、住宅供給を200万戸、新築と古い建物のレノベーションで早急に提供する政策を促進すると発表している。一方で、NARの研究チームによると、21世紀に入って以降、住宅ストックの不足数は約600万戸である。こうした状況を背景に、NAR会長のCharlie Oppler氏は、「住宅供給を増やすことは、道路や橋を建設すると同様、ここ当面の長期課題として取り組まれなければならない」と、繰り返しバイデン政権へ働きかけている。 詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/07/19/biden-focuses-on-tackling-inventory-crisis?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D4929%7CRealtorMagNews_2021_07_19%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS
全体経済その他
○ニュース関係従業員数はここ13年で26%減少 (2021/07/13 ピューリサーチセンター) ピューリサーチセンターが労働統計局のデータを分析したところ、2008年以降、ニュース関連で働く人の数が114,000人から85,000人へと減っている。新聞、ラジオ、テレビ、有線放送などで働くリポーター、編集者、写真家、ビデオ技術者たちである。特に減少が激しいのは新聞業界で、2008年から昨年までの12年間で、57%の減少が記録されている。 詳しくはこちら: https://www.pewresearch.org/fact-tank/2021/07/13/u-s-newsroom-employment-has-fallen-26-since-2008/
〇科学に信任置くアメリカ人の割合はここ50年で減少 (2021/07/16 ギャロップ調査) アメリカ人の科学への信頼はここ50年で6ポイント減少し、1975年の同じ調査での70%から64%へと減少した。科学への信頼を減らした人の多くは共和党支持者で、1975年当時は共和党支持者の72%は信頼すると回答していたのが、2020年は45%へと大幅下落した。一方で民主党支持者は67%が79%へと、逆に科学への信頼が上昇している。いろいろな調査で共和党と民主党支持者の間に大きな数値的違いが生じることは当然あるが、34%の違い(45%と79%)という、これだけ大きな差というのも珍しいと、ギャロップ調査はコメントしている。 詳しくはこちら: https://news.gallup.com/poll/352397/democratic-republican-confidence-science-diverges.aspx