JARECO-Eyecommunication

JARECOニュースまとめ(vol. 290)

不動産価格高い州から低い州への人口移動

市場ならびに市場関連数値

○不動産価格高い州から低い州への人口移動 (2021/08/04 コアロジック社レポート) 2020年度のコアロジック社ハウジング市場レポートによると、最も人口流入が多かった都市15都市は全て、住宅価格、固定資産税、州所得税が低い都市ばかりだったとまとめている。上位都市は、テキサス州、フロリダ州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州に多い。1位はカリフォルニア州Riverside-San Bernardino-Ontarioエリア、2位はフロリダ州のLakeland-Winter Havenエリア、3位はサウスカロライナ州とノースカロライナ州にまたがるMyrtle Beach-Conway-North Myrtle Beachエリア、4位はネバダ州のLas Vegas-Henderson-Paradiseエリア、5位はフロリダ―州のTampa-St.Petersburg-Clearwaterエリアと続く。 詳しいランキングはこちら: https://www.corelogic.com/intelligence/2020-corelogic-hottest-cities-for-homebuyers-report/

○含み資産価値の高い都市 (2021/08/05 ATTOM DATA Solutions社データ) 不動産データ企業Attom Data Solutins社によると、住宅ローン返済中の住宅保有者のうち34.4%は、借入総額が現在保有する住宅市場価値の50%以下となっている。昨年同期の同じ割合は27.5%だったので7%ほど増えている。この割合が高い都市は、1位がサンノゼで 69.4%、2位がサンフランシスコで 64.9%、3位がロサンゼルスで 57.9%、4位がアイダホ州Boiseで: 57.4%、5位がサンディエゴで 54.3%となっている。また、借入額残高が現在の市場価値を上回る物件は、全体の4.1%のみとのデータ発表となっている。 詳しくはこちら: https://www.attomdata.com/news/market-trends/home-sales-prices/attom-q2-2021-u-s-home-equity-and-underwater-report/

○デルタ変異株の影響 (2021/07/29 realtor.com記事) デルタ変異株の感染拡大によりパンデミックへの警戒が戻ってきており、ここ数か月間どのような影響を与えるかを注視しなければならないと警告するエコノミストが増えている。住宅不動産市場についてみれば、また都市封鎖のような想定をするということになると、ここのところ少し落ち着きかけていた売り物件の取り合いが過熱化し、住宅価格のさらなる上昇を招いて市場の停滞を呼ぶ可能性もある。3回目のワクチン接種も含め、接種活動がどのように推移するかもキーとなる。 詳しくはこちら: https://www.realtor.com/news/trends/delta-variant-impact-on-housing-market/

投資

○クラウドファンディングで賃貸住宅投資 (2021/08/10 CNBC報道) Fundriseという会社が2012年以来クラウドファンディングを行い、集めた資金で事業用物件への投資を行ってきた。この会社が最近は、ビルダーから戸建を買い取るための資金をクラウドファンディングで調達し、戸建賃貸住宅用投資を行っている。1人$500(約55,000円)からの投資ができる。ファンド側は投資したファンドレーザーに対し、投資額の1%を年間手数料として請求し、最低でも5年以上の投資としている。 詳しくはこちら: https://www.cnbc.com/2021/08/09/how-to-invest-in-single-family-rentals-without-buying-a-house.html

建築とリフォーム

〇木材価格が下がったとはいえ他資材が高騰 (2021/08/17 NARニュース) 労働統計局データによると、直近12か月で新築住宅価格は19.4%上昇し、今年に入ってからの上昇は13%となっている。6月の新築住宅販売価格は$361,800(約4,000万円)となり、対前年同月比で6%上昇である。木材価格高騰はこのところ下火になったが、他の建築資材が高騰しているのも住宅価格が高い原因である。鉄鋼価格は6月6.2%、7月は10.8%と上昇、石膏商品は今年に入って16%上昇となっている。下がった木材価格も針葉樹材を例にとると、年度当初の価格に比べれば現在71.9%高い。こうした中、売り出し価格があまりに高くなるので販売計画を延期するディヴェロッパーも出ている。 詳しくはこちら: https://magazine.realtor/daily-news/2021/08/17/building-material-costs-surpass-records?AdobeAnalytics=ed_rid%3D1729200%26om_mid%3D5119%7CRealtorMagNews_2021_08_17%26om_nytpe%3DREALTOR%20MAG%20NEWS

業界動向

○RedFinは従業員やエージェントのワクチン接種義務付け (2021/08/03 Puget Soundビジネスジャーナル誌) 不動産ポータルRedfinはシアトルに本部を置いており、感染状況が収束してきたので、9月6日に本部活動をリモート主体から出勤体制に本格的に切り替えると発表していた。しかし、デルタ変異株が感染者数を急増させる中でこの決定を変更してリモートワーク主体を継続し、出勤主体体制に戻す場合は少なくとも30日前には従業員に告知するとした。その場合に、出勤できる従業員やエージェントはワクチン接種を終了した人間のみにするとしている。同じくシアトルに本拠を置くマイクロソフトや、グーグル、フェイスブックといった企業も、デルタ変異株の感染拡大により、全て同じような動きを発表している。 詳しくはこちら: https://www.bizjournals.com/seattle/news/2021/08/03/redfin-pushes-back-office-reopening.html

○警察が黒人エージェントとその顧客を誤って手錠で拘束 (2021/08/03 Newsweek記事) 8月1日、ミシガン州のGrand Rapidsで、住宅物件を案内していた黒人リアルターと、その顧客である黒人親子2名、合計3名が駆け付けた警察に手錠で拘束されるという事件が起こった。案内中に突然パトカーが住宅前に停車し、3人は銃をつきつけられた上に、「手を上げて住宅から出てこい」との指示を受け、住宅を出たところで手錠をはめられた。黒人リアルターはこれに対し、自己のIDを見せて状況を説明し、最終的には手錠は外されて放免された。経過をたどると、隣人が「窃盗犯が住宅に侵入している」と通報したことがわかったが、当事者3名は、「非常に攻撃的に取り扱われた」と状況を説明しており、地区のリアルター協会ならびに全米リアルター協会は、「人種を基に過剰に行われた警察行為で、あってはならないこと」と激しく抗議をしている。 詳しくはこちら: https://www.newsweek.com/wyoming-police-handcuffs-real-estate-agent-1615579

全体経済その他

○新型コロナ感染症に対し次第に悲観的となるアメリカ人 (2021/08/02 ギャロップ調査) 6月から7月にかけ、新型コロナに関する状況が改善したと考えるアメリカ人の割合が減少している。6月調査では89%が改善していると回答したのに対し、7月調査では40%に下落した。こうした数値悪化は2021年1月以来である。「悪くなっている」という回答は3%が45%に一挙に増加、「変わっていない」という回答は8%が14%と増加している。 詳しくはこちら: https://news.gallup.com/poll/353003/americans-optimism-covid-dashed-cases-surge.aspx

○銃保有支持者と反対者における意見相違 (2021/08/04ピューリサーチセンター調査) 銃保有について、銃保有者と非保有者ではかなりの意見の違いが出ている。「銃を保持しての外出」を支持するのは、銃保有者の70%に対して、非保有者では30%、「学校での教師による銃保有」を支持するのは、銃保有者の63%に対して非保有者では33%、「銃関連雑誌の発行禁止」を支持するのは、銃保有者の40%に対して非保有者では74%、「連邦政府による銃販売記録のデータベース作成」を支持するのは、銃保有者の46%に対し、非保有者では77%、等の差異がある。 詳しくはこちら: https://www.pewresearch.org/fact-tank/2021/08/04/wide-differences-on-most-gun-policies-between-gun-owners-and-non-owners-but-also-some-agreement/

○健康保険を持たない人が多い州 (2021/08/06 全米保健医療統計センターレポート) アメリカ人大人の14.5%は健康保険を持っていない。保険加入していない率が高い州を順に挙げると、1位はテキサスで30.5%、2位はオクラホマ州で25.6%、3位はジョージア州で22.3%、4位はフロリダ州で20.6%、4位と5位はカンサスとノースカロライナで17.8%となる。これら州の健康保険加入率が低い理由は、いずれも低所得者へのメディケイドを提供する法を承認することを拒んでいる点にある。 詳しいレポートはこちら: https://www.cdc.gov/nchs/data/nhsr/nhsr163-508.pdf