JARECOニュースまとめ(2016/06/30)
市場ならびに市場関連数値
○既存住宅流通はここ9年間で最高レベル (2016/06/22 NARニュース) 5月の既存住宅流通戸数は前月比1.8%増加し、年率換算で553万戸のペースとなった。この戸数は2007年2月以来9年ぶりの高水準。対前年同月比では4.5%の増加。成約中位価格は$239,700で、対前年同月比で4.7%高くなっている。低金利が継続していることもあるが、NARは好調な市場の要因として、この間の住宅価格高騰により資産価値が上がったことをてこにして、買い替え需要が活発化していることを挙げている。売り出しから成約までの平均日数は32日で、前年同期の40日からさらに8日減っている。売り出し在庫数は1.4%増えて215万個。
詳しいデータはこちら: http://realtormag.realtor.org/daily-news/2016/06/22/existing-home-sales-highest-pace-in-9-years?om_rid=AABJpF&om_mid=_BXauThB9O8zGV5&om_ntype=RMODaily
○LGBT(性的少数者)のシニア向け分譲が好調 (2016/06/01 Builder誌報道) LGBTの人たちは住環境において往々に差別を受けやすいが、サンフランシスコ北方のLGBT向けに開発された住宅区域、Fountaingrove Lodgeではそのようなことはない。この開発を手掛けたのは、全米で40のリタイアメント・コミュニティーを作ってきたOakmont Senior Living社で、830から2000平方フィートの70区画を販売している。今回のLGBT向け区画は7年間の計画を経て分譲開始されたが、業者側では「待った甲斐があって非常に顧客から喜ばれている」としている。
詳しくはこちら: http://www.builderonline.com/design/projects/fountaingrove-lodge_o?utm_source=newsletter&utm_content=Article&utm_medium=email&utm_campaign=BBU_062016%20(1)&he=0db8bf94e31587727172b0e35615198372ed6096
○居住について年齢ごとの優先以降の違い (2016/06/21 HousingWire報道) 居住環境への要望は世代ごとで違ってくるが、Jon Burns Real Estate Consulting社が調査したところ、各年齢ごとに以下が主要な優先事項となっている。 67歳から76歳台:都市中心、近郊いずれでも活発。別荘を孫の家の近くに買うという動機も強い。 57歳から66歳:健康、家族志向強し。47歳から56歳:成人した子供と住みたがる。37歳から46歳:複数世代居住を好む傾向あり。 27歳から36歳:結婚年齢が遅くなっていることもあり、都市中心部での賃貸を好む
詳しくはこちら: http://www.housingwire.com/articles/37334
投資
○英国のEU離脱の米国不動産への影響は? (2016/06/24 NARニュース) 英国のEU離脱は世界経済へ長期的な影響を与えそうだが、米国不動産市場にとっては短期的には非常に有利な条件を生む。安全に資産を運用したい投資家が大挙して米国へ押しかける可能性が強い。金利も当面の間、さらに低金利を続ける可能性が強くなって不動産市場には追い風となる。もっとも、長期的には経済への影響は避けられず、全体としてみた場合、米国の不動産市場にとっても大きな脅威であることは間違いない。
詳しくはこちら: http://realtormag.realtor.org/daily-news/2016/06/24/brexit-could-give-us-real-estate-brief-boost?om_rid=AABJpF&om_mid=_BXbZX3B9PCl0Co&om_ntype=RMODaily
建築とリフォーム
○新築着工戸数はフラット (2016/06/17 全米ビルダー協会ニュース) 商務省が発表する5月の住宅着工戸数は、対前月比ほとんど変わらずで116万戸であった。また建築確認戸数114万戸となっている。地域的にはばらつきがあり、西海岸が14.4%の伸びに対し、北東部が33.3%の大幅減少となっている。ただNAHBのチーフエコノミストのロバート・ディーツ氏によると、ビルダーの景況感は良く、特に戸建住宅は対前年比10%伸びていることもあり、当面の動きの良さは問題なしとしている。
詳しくはこちら: http://www.nahb.org/en/news-and-publications/press-releases/2016/06/housing-production-holds-steady-in-may.aspx
○5月の新築販売は6%減少 (2016/06/23 商務省発表データ) 5月の新築住宅販売は551,000戸で、対前月比6%の大幅減少となった。在庫数は244,000戸で、現状のペースで5.3か月分の在庫数である。成約中位価格は$290,400。もっとも551,000戸という数字は、ここ数年の低調な数値に比べればまだましな数字ではある。
詳しくはこちら: http://realtormag.realtor.org/daily-news/2016/06/23/top-housing-preferences-depends-age-apparently?om_rid=AABJpF&om_mid=_BXbFTcB9O-lQnm&om_ntype=RMODaily 7
○リフォームを念頭に置く買主多し (2016/06/23 Houzz調査レポート) リフォームしたい消費者とリフォーム業者をつなぐサイトHouzz社が毎年行ってきたリフォーム動向結果によると、現在行われているリフォームは4分の1以上が物件を購入した際のリフォームとなっている。売り出し物件数が不足気味の市場の中で、安い物件を購入しリフォームをしっかりお金をかけて行う、そういうトレンドの現れとみられる。そうした人たちのリフォーム額は、全体のリフォーム平均額の$59,800より多く$66,600。工事される部位で一番多いのはキッチン、続いて浴室となっている。
詳しくはこちら: http://info.houzz.com/rs/804-JLJ-529/images/Houzz%26Home2016.pdf
業界動向
○リアロジー社がテクノロジー基盤を強化 (2016/06/16 リアロジー社発表) 不動産FC本部を複数経営し、全米最大の売買仲介業シェアを持つリアロジー社は、傘下のFC店で仲介業に従事するエージェントのうち45,000名が、ZAPシステムというテクノロジープラットフォーム使用を開始したと発表した。リアロジー社は2014年にオンライン仲介業者のZipRealtyを買収したが、ZAPはZipRealtyが取引について顧客とのやりとりをオンライン上で展開していた技術を応用して作られている。顧客管理、ウェブサイト運営、反響管理等が原状の主技術である。
詳しくはこちら: https://www.realogy.com/media/pr/show_release.cfm?id=1909
○ステージングに自然の緑はアクセントとして欠かせず (2016/06/20 リアルターマガジンブログ記事) ステージングにおいて人工の緑をアクセントで使うことも多いが、出来たら本当の緑を用意した方が部屋の見栄えはよくなるとの考え方も多い。実際の植物を排したステージングの写真のいくつかは下記サイトにて。
http://styledstagedsold.blogs.realtor.org/2016/06/20/my-favorite-staging-accessory-greenery/?om_rid=AABJpF&om_mid=_BXaEtIB9OrxXq6&om_ntype=RMODaily
全体経済その他
○若者と高齢層の富裕度の格差が拡大 (2016/06/16 Forbes記事) NARチーフエコノミストのローレンス・ユン氏は、データを詳しく見ていくと、若者と高齢層のギャップは驚くほど拡大していることがわかるとしている。1980年代初頭、35歳以下の純資産額は$15,260、これに対し65歳以上世帯の純資産額は$120,500だった。およそ1対10の割合だったのだが、2013年になると、これが$10,500対$210,500となって1対20の割合に格差が拡いている。
詳しくはこちら: http://www.forbes.com/sites/lawrenceyun/2016/06/16/a-reason-for-widening-intergenerational-inequality/#3b0ca1873e35