JARECOニュースまとめ(2016/12/29)
市場ならびに市場関連数値
○消費者意識動向調査 (2016/12/26 NAR四半期調査結果) 大統領選挙結果後の金利上昇もあって、NAR調査の第4四半期消費者意識における景況感は、これまでより少し後退している。賃貸入居者で購入検討したい割合は57%で、昨年同期の68%から11%と2桁の低下であった。もっとも持ち家世帯で購入検討しても良い時期という回答は全体の78%あって、依然として高い。NARの来年度の既存住宅取引件数予測は2%増加して552万戸程度で、価格は今年度の5%上昇よりは緩やかで4%程度と予測されている。
詳しくはこちら: https://www.nar.realtor/reports/2016-q4-homeownership-opportunities-and-market-experience-home-survey
○なぜ新築住宅供給が増えないのか (2016/12/16 CNBC報道) 11月の新築着工戸数は109万戸で、対前月比19%の大幅な減少となった。既存住宅流通市場で売り物件不足が続き、新築供給が増えないとさらなる市場の活性化が起きないという論調が多いなか、どうしてビルダーは建築戸数を増やさないのか?理由をたどっていくと、(1)規制増加による建築コストの大幅増(2)労働力不足が浮かびあがる。全米ビルダー協会調査によると、規制による建築コストの上昇は、ここ5年間の新規規制追加で29%にも上る。
詳しくはこちら: http://www.cnbc.com/2016/12/16/homebuilders-super-happy-but-not-building-more-homes-heres-whats-up-with-that.html
○女性購入者の拡大 (2016/12/15 ConstructionDive記事) 住宅購入に占める女性単身者の割合は、1981年当時の11%から2006年には倍の22%となっていた。経済危機後少し低下して現在17%だが、今後はまた継続して増加すると予測されている。因みに男性は全体の6%と少ない。女性購入者の年齢層は比較的高く、中位年齢は50歳となっていて、典型的な購入物件の広さは1,500平方フィート(約40坪)、ベッドルーム数が3でバスルームが2である。
詳しくはこちら: http://www.constructiondive.com/news/the-single-female-homebuyer-is-back-and-shes-here-to-stay/432398/
○親と同居する若者が増えている (2016/12/22 NARニュース記事) 大きな経済後退が起きると、親と同居する若者が増える。大恐慌の終盤1940年の同居割合は40.9%だったのが1960年には24%と減少した過去のデータがあるが、今回の経済危機においては、現時点でも18歳から34歳の若者の40%は依然として親と同居していて、数字が大幅に下がる兆しは今のところない。経済的理由が大きいが、それだけではなく、今の若者世代は結婚年齢を遅らせ、子供を持つのも遅い年齢でという考えが強いため、同居率が低下しない一因ともなっている。
詳しくはこちら: http://realtormag.realtor.org/daily-news/2016/12/22/older-kids-are-refusing-flee-nest?om_rid=AABJpF&om_mid=_BYXCwwB9WnMc1U&om_ntype=RMODaily
金融
○住宅ローン選定への後悔度合 (2016/12/19 J.D.Powerローン満足度調査結果) 各種業種企業の消費者満足度を調査発表しているJ.D.Power社が、住宅ローンに関する満足度調査を行った。それによると、自分が借り入れたローンについて後悔をしている人が21%に上ることがわかった。理由として最も多かったのは、選択肢を複数検討する余裕がない中でローンを選んでしまったこととなっている。1種類しか検討しなかった借主の満足度は、複数種類のローンを検討した上で商品決定した人より19%下回る。
詳しくはこちら: http://www.jdpower.com/resource/us-primary-mortgage-origination-satisfaction-study
投資
○戸建賃貸に有利な都市は (2016/12/22 NARニュース) オンライン上で住宅投資情報提供を行うHomeUnion社が、今年度戸建投資市場として最良の場所となった都市をまとめている。1位はシアトルで、平均の毎月賃料は$2,220(約26万円)、1年間の賃料上昇は6.7%だった。2位はダラスで$1,600(約19万円)と5.6%、3位はアトランタで$1,280(約15万円)と4.9%となっている。サンフランシスコやサンノゼといった都市の戸建賃貸は、既に相当高い賃料レベルになっているので、今回調査での賃料収入の伸びは停滞してランキングの下位となっている。
詳しくはこちら: http://realtormag.realtor.org/daily-news/2016/12/22/where-its-good-be-landlord?om_rid=AABJpF&om_mid=_BYXCwwB9WnMc1U&om_ntype=RMODaily
○人口増加が著しい州はどこか (2016/12/20 Builder誌報道) 国勢調査局発表したデータによると、2015年から16年にかけて人口増加率が最も高かった州はユタ州で2%の増加だった。2位がネバダ州で2%、3位がアイダホ州で1.8%、4位フロリダ州1.8%、5位ワシントン州1.8%等となっている。全体人口の38%が南部、24%が西海岸地区に住んでおり、人口増加が多い州もこれら2地区に多い。
詳しくはこちら: http://realtormag.realtor.org/daily-news/2016/12/21/nation-s-fastest-growing-states?om_rid=AABJpF&om_mid=_BYWsMrB9WktjaB&om_ntype=RMODaily
建築とリフォーム
○高齢化社会で住宅はどうなるか?(2016/12/14ハーバード大学住宅調査共同センターレポート) アメリカでも人口高齢化が進んでいるが、2035年には住宅保有世帯の3分の1が65歳以上の世帯主となると予測される。そうなると、段差なしの家、平屋建て、広い廊下といった設備を備えた住宅が数多く必要だが、現状では住宅全体の3.5%にしかそうした設備はない。これら設備を完備した住宅が、今後いかに多く供給されるかは大きな焦点となる。また、賃貸層においては、収入の半分以上を家賃に充当しなければならない層が860万人と予測され、そうなると、うち760万人が連邦政府からの補助金がなければ賃料支払が難しい、そうレポートは警告している。
詳しくはこちら: http://www.jchs.harvard.edu/sites/jchs.harvard.edu/files/harvard_jchs_housing_growing_population_execsum.pdf
○2017年の住宅デザイントレンド (2016/12月号 Realtor誌記事) 来年もてはやされるであろう住宅のデザイントレンドを11項目、Realtor誌がまとめている。集合住宅における集会場スペース、人気の色はグレー、娯楽を重視する間取り、温かみを持つ表面素材、エネルギー節約設備等のトレンドが語られている。
詳しくはこちら: http://realtormag.realtor.org/home-and-design/feature/article/2016/12/2017-home-design-trends?om_rid=AABJpF&om_mid=_BYWsMrB9WktjaB&om_ntype=RMODaily
全体経済その他
○衰退するアメリカンドリーム (2016/12/08 ニューヨークタイムズ報道) 「自分は親世代よりも豊かな生活を送れる」としたアメリカンドリームの考えは、20世紀の大恐慌時代に形成された。しかし、そうしたアメリカドリームが今でも実現すると考える層は、若ければ若いほど少ないということが判明した。1940年に生まれた人たちは、92%がドリーム達成可能と回答したのに対し、1950年生まれが79%、1960年生まれが62%、1970年生まれが61%、1980年生まれが50%と、若い世代になればなるほど、アメリカンドリームは実感として失われてきている。
詳しくはこちら: http://www.nytimes.com/2016/12/08/opinion/the-american-dream-quantified-at-last.html?action=click&contentCollection=Health&module=RelatedCoverage®ion=Marginalia&pgtype=article&_r=0